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不登校は自己肯定感の低さが原因?親ができる自信の育み方

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「うちの子、最近学校に行きたがらない…もしかして自己肯定感が低いのが原因なのかな?」 「子どもに自信を持たせるには、親としてどう接すればいいんだろう…」

お子さんが不登校になったり、登校を渋ったりする姿を見ると、親としてどうすれば良いのか分からず、不安で胸が張り裂けそうになりますよね。

インターネットで情報を集める中で「自己肯定感」という言葉を目にし、お子さんの状態と関係があるのではないかと感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、不登校のお子さんを持つ保護者の方向けに、以下の点を分かりやすく解説します。

  • 不登校と自己肯定感の深い関係性
  • 子どもの自己肯定感を高めるための具体的な関わり方
  • 自信をつける声かけと、言ってはいけないNGな言葉
  • 親がやってはいけないこと
  • 安心して相談できる専門機関

この記事を読めば、お子さんの心に寄り添い、自信を育むための具体的なヒントが見つかるはずです。一人で抱え込まず、まずはお子さんの心を理解することから始めていきましょう。

不登校と自己肯定感の深い関係性

不登校と自己肯定感は、相互に影響し合う非常に深い関係にあります。 自己肯定感の低さが不登校の引き金になることもあれば、不登校という状況が子どもの自己肯定感をさらに奪ってしまうことも少なくありません。

まずは、この複雑な関係性を正しく理解することが、お子さんをサポートする第一歩となります。

自己肯定感が低いと登校意欲が下がる理由

自己肯定感が低い子どもは、「自分はダメな人間だ」「どうせ何をやってもうまくいかない」といった否定的な自己イメージを持っています。

このような状態では、学校という集団生活の場が大きなプレッシャーとなり、登校への意欲が失われてしまいます。

  • 【対人関係への不安】
    「友達に嫌われたらどうしよう」「先生に怒られたらどうしよう」と、他人の評価を過度に気にしてしまい、人と関わること自体が苦痛になります。

  • 【学習面での劣等感】
    授業についていけない、テストの点が悪いといった経験から、「自分は勉強ができない」と思い込み、学校へ行くのが嫌になります。

  • 【失敗への恐怖】
    完璧主義な傾向がある子どもの場合、少しの失敗も許せず、「また失敗するくらいなら、何もしない方がいい」と考え、挑戦すること自体を避けるようになります。

このように、低い自己肯定感は学校生活のあらゆる場面で子どもの心を蝕み、登校するエネルギーを奪ってしまうのです。

不登校が自己肯定感をさらに低下させる悪循環

一度不登校になると、その状況自体が子どもの自己肯定感をさらに低下させるという悪循環に陥りがちです。

学校に行けない自分を責め、「みんなは普通にできているのに、自分だけができない」と感じることで、自己否定の気持ちがますます強くなってしまいます。

  • 【社会的孤立感】
    周囲から取り残されたような感覚に陥り、「自分は社会のルールから外れてしまったダメな人間だ」と思い込んでしまいます。

  • 【罪悪感】
    親に心配をかけていることに対して罪悪感を抱き、「自分は親不孝者だ」と自分を責めてしまいます。

  • 【無力感】
    学校に行けない状況を変えられない自分に対して無力感を覚え、自信を完全に失ってしまいます。

この悪循環を断ち切るためには、まず「学校に行けないこと=悪いこと」という考えから親子ともに離れ、子どもの心を休ませることが何よりも重要です。

「登校しぶり」は自己肯定感低下のサイン

本格的な不登校になる前に、子どもは「登校しぶり」という形でSOSのサインを発していることがよくあります。

朝になると「お腹が痛い」「頭が痛い」と体の不調を訴えたり、学校の準備をなかなか始めなかったりする行動は、単なる怠けやわがままではありません。

それは、学校生活への不安やストレスによって自己肯定感が低下し、心が悲鳴を上げているサインかもしれないのです。

「もしかして?」と感じたら、お子さんの言葉の裏にある本当の気持ちに耳を傾けることが大切です。 この段階で適切に対応することで、子どもの心の負担を軽くし、本格的な不登校を防げる可能性もあります。

不登校と自己肯定感の関係は一見シンプルなようで、実際には多くの要因が複雑に絡み合っています。
より深く理解したい方は、自己肯定感が不登校に与える影響と回復プロセスを別の角度から解説した記事も参考になります。

子どもが自己肯定感を失う主な原因

子どもの自己肯定感が低くなる原因は一つではなく、学校や家庭環境、本人の気質など、様々な要因が複雑に絡み合っています。 お子さんがなぜ自信を失ってしまったのか、その背景を理解することで、より適切なサポートができるようになります。

学校での人間関係のつまずき

子どもにとって、学校での人間関係は生活の大部分を占める重要な要素です。 ここでのつまずきは、自己肯定感に直接的なダメージを与えます。

  • いじめや仲間外れ
  • 親しい友人とのトラブル
  • 先生との相性が合わない、叱責された経験
  • クラスの雰囲気に馴染めない

「自分は誰からも必要とされていない」「自分の居場所がない」と感じる経験は、子どもの心を深く傷つけ、自信を失わせる大きな原因となります。

学習面での遅れや劣等感

「勉強がわからない」という経験は、子どもに強い劣等感を抱かせます。

授業の内容が理解できなかったり、テストの成績が振るわなかったりすることが続くと、「自分は頭が悪い」「やっても無駄だ」と思い込むようになります。特に、周りの友達と自分を比較してしまいがちな子どもほど、学習面でのつまずきが自己肯定感の低下に直結しやすい傾向があります。

学習面でつまずき始めた時期は、自己肯定感が最も揺らぎやすいポイントでもあります。勉強への意欲低下についてまとめた記事も参考にしてみてください。

親や周囲からの過度な期待とプレッシャー

「良い子でいなさい」「もっと頑張りなさい」といった親や周囲からの期待は、時に子どもを追い詰めるプレッシャーになります。

親としては良かれと思ってかけている言葉でも、子どもは「期待に応えられない自分はダメだ」「ありのままの自分では愛されない」と感じてしまうことがあります。常に誰かの期待に応えようと頑張り続けるうちに、心が疲弊し、自己肯定感を失ってしまうのです。

家庭での関わり方が、本人の気質と結びついて自己肯定感を揺らす場合もあります。家庭環境が影響しやすいケースについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

失敗を極度に恐れる完璧主義な性格

もともと真面目で責任感が強く、完璧主義な気質を持つ子どもは、自己肯定感が低くなりやすい傾向があります。

このような子どもは、自分に高い基準を課し、少しの失敗も許すことができません。一度失敗すると「すべてが台無しになった」と極端に落ち込み、自分を激しく責めてしまいます。失敗を恐れるあまり、新しいことに挑戦できなくなり、結果として自信を育む機会を失ってしまうのです。

完璧主義の傾向が強い子どもは、不登校につながりやすいと言われています。同じテーマをより詳しく解説した記事はこちら。

自己肯定感を高める親の関わり方5選

子どもの自己肯定感を育む上で、最も重要なのは家庭が「安心できる場所」であることです。 親の関わり方一つで、子どもの心は大きく変わります。ここでは、今日から実践できる5つの関わり方をご紹介します。

なお、「自己肯定感とは何か」をより分かりやすく整理したい方は、こちらの記事も参考にしてください。

  • 【結果ではなく過程を具体的に褒める】
    「テストで100点を取ってえらいね」という結果を褒める言葉も嬉しいものですが、それ以上に子どもの心に響くのは、努力の過程を認める言葉です。「毎日コツコツ勉強していたのを知ってるよ」「難しい問題に諦めずに取り組んでいてすごいね」など、親が自分の頑張りを見てくれているという事実は、大きな自信につながります。

  • 【子どもの意見や感情を尊重し傾聴する】
    子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、「どうして?」「そんなこと言わないで」とすぐに否定したり質問攻めにしたりするのは避けましょう。まずは「そうなんだね、行きたくない気持ちなんだね」と、子どもの感情をそのまま受け止めることが大切です。親が自分の気持ちを理解しようとしてくれると感じるだけで、子どもは安心感を得られます。

  • 【小さな成功体験を積ませる機会を作る】
    不登校の子どもは、自信を失い「自分には何もできない」と思い込んでいることが多いです。そこで、家庭の中で「できた!」と感じられる小さな成功体験を積ませてあげましょう。 例えば、簡単な料理の手伝い、植物の水やり、得意なゲームで目標をクリアするなど、どんなに些細なことでも構いません。達成感を味わう経験を繰り返すことが、自信を取り戻すきっかけになります。

  • 【ありのままの存在を無条件に肯定する】
    「学校に行けても行けなくても、あなたが大切な子どもであることに変わりはないよ」というメッセージを伝え続けることが何よりも重要です。何かが「できる」から価値があるのではなく、存在そのものが大切であるという無条件の肯定が、自己肯定感の土台を築きます。言葉だけでなく、ハグなどのスキンシップも効果的です。

  • 【感謝の言葉「ありがとう」を伝える】
    「手伝ってくれてありがとう」「話してくれてありがとう」など、日常的に感謝の言葉を伝えることを意識してみてください。「ありがとう」という言葉は、相手の存在や行動を認め、尊重している証です。子どもは「自分は家族の役に立っている」「必要とされている」と感じることができ、自己有用感を育むことにつながります。

自信をつける声かけとNGな言葉かけ

親が何気なく発する一言が、子どもの心を温めることもあれば、深く傷つけてしまうこともあります。 ここでは、子どもの自信を育む効果的な声かけと、避けるべきNGな言葉かけの具体例をご紹介します。

効果的な声かけ例「あなたの味方だよ」

子どもが最も求めているのは、何があっても自分の味方でいてくれる存在です。 「お父さん(お母さん)は、いつでもあなたの味方だからね」という言葉は、子どもに絶対的な安心感を与えます。この安心感が、困難に立ち向かうための心のエネルギーになります。

効果的な声かけ例「いつも頑張っているね」

学校に行けていなくても、子どもは自分なりに様々な葛藤と戦っています。その目に見えない頑張りを認め、「いつも頑張っているね」「つらい気持ちと向き合っていてえらいね」と声をかけてあげましょう。 自分の苦しみを理解してもらえたと感じることで、子どもの心は少し軽くなります。

NGな声かけ例「なんで学校に行けないの?」

「なんで?」という問い詰めは、子どもを追い詰めるだけです。 子ども自身も、なぜ行けないのか分からずに苦しんでいる場合がほとんどです。この言葉は、「行けない理由を説明できないお前が悪い」というメッセージとして伝わってしまい、子どもをさらに孤立させます。

NGな声かけ例「みんなは行っているのに」

他人との比較は、子どもの自己肯定感を最も傷つける言葉の一つです。 「〇〇ちゃんは毎日楽しそうなのに」「みんなは我慢して行っているのに」といった言葉は、「みんなと違うお前はダメだ」と、子どもの存在価値そのものを否定することにつながります。絶対に避けましょう。

不登校で親がやってはいけないこと

お子さんを心配するあまり、良かれと思って取った行動が、かえって状況を悪化させてしまうことがあります。 ここでは、不登校のお子さんに対して親がやってはいけないNG行動をまとめました。ご自身の対応を振り返るきっかけにしてみてください。

  • 【無理やり学校へ行かせようとする】
    不登校の子どもは、心と体のエネルギーが枯渇している状態です。無理やり玄関から引きずり出したり、車で学校に連れて行ったりする行為は、子どもに強い恐怖心と絶望感を与えるだけで、事態を悪化させます。まずは、安心して休める環境を整えることが最優先です。

  • 【原因を問い詰めたり本人を責めたりする】
    「何があったの?」「誰かに何かされたの?」と原因を執拗に問い詰めるのはやめましょう。子どもは話したくても話せない、あるいは自分でも原因が分からない場合があります。「あなたのせいでこうなった」と本人を責めるような言動は、子どもの心を深く傷つけ、親子関係の信頼を損ないます。

  • 【他の子どもと比較する】
    「お兄ちゃんはちゃんと学校に行っていたのに」「近所の〇〇くんは皆勤賞なんだって」など、兄弟や他の子どもと比較する言葉は百害あって一利なしです。子どもは「自分は劣った存在だ」と感じ、ますます自信を失ってしまいます。比べるべきは過去のその子自身であり、他人ではありません。

  • 【親の不安や焦りを子どもにぶつける】
    「あなたが学校に行かないと、お母さんのせいにされる」「将来どうするの?」など、親自身の不安や焦りを子どもにぶつけてはいけません。 親の不安は子どもに伝染し、強いプレッシャーとなります。「学校に行けない自分は、親を不幸にしている」と感じさせ、子どもをさらに追い詰める結果になります。

専門機関へ相談するタイミングと窓口

不登校の問題は、家庭だけで抱え込むにはあまりにも重い課題です。 親子だけで行き詰まってしまう前に、専門家の力を借りることをためらわないでください。客観的な視点からのアドバイスが、解決の糸口になることも少なくありません。

相談するタイミングに決まりはありませんが、以下のような状況であれば、一度専門機関の窓口を訪ねてみることをお勧めします。

  • 子どもとの関わり方に悩み、どうしていいか分からないとき
  • 子どもの元気がなく、昼夜逆転や引きこもりが続くなど、生活リズムが大きく乱れているとき
  • 子どもが自傷行為や暴力など、心配な行動を見せるとき
  • 親自身の不安やストレスが限界に達しているとき

以下に、主な相談窓口をご紹介します。

学校のスクールカウンセラー

まず最初に相談しやすいのが、学校に配置されているスクールカウンセラーです。 学校生活の様子を把握しているため、具体的な状況に基づいたアドバイスが期待できます。子ども本人だけでなく、保護者だけの相談も可能です。まずは担任の先生や保健室の先生を通じて、相談の予約を取ってみましょう。

地域の教育支援センター(適応指導教室)

各市町村の教育委員会が設置している公的な支援機関です。 不登校の子どもたちが安心して過ごせる居場所を提供するとともに、学習支援やカウンセリング、体験活動などを行っています。同じ悩みを抱える他の親子と交流できる場合もあります。お住まいの地域の教育委員会のウェブサイトなどで確認してみてください。

児童精神科・心療内科などの医療機関

子どもの不安感が非常に強い、体の不調が続く、うつ的な症状が見られるといった場合は、医療機関への相談も選択肢の一つです。 医師の診察により、医学的な観点から子どもの状態を診断し、必要に応じて薬物療法や専門的なカウンセリングを受けることができます。

民間のフリースクール・カウンセリング

公的な機関以外にも、NPO法人などが運営するフリースクールや民間のカウンセリングルームなど、多様な選択肢があります。 それぞれに特色があり、子どもに合った教育方針や雰囲気の場所が見つかるかもしれません。費用はかかりますが、より手厚いサポートや柔軟な対応が期待できる場合があります。インターネットで情報を集めたり、見学に行ったりして検討してみましょう。

まとめ

今回は、不登校と自己肯定感の関係性、そしてお子さんの自信を育むために親ができることについて解説しました。

  • 不登校と自己肯定感は深く関係しており、互いに影響し合う悪循環に陥りやすい。
  • 子どもの自己肯定感を高める鍵は、家庭が「安心できる場所」であること。
  • 結果ではなく過程を褒め、子どもの気持ちに寄り添い、ありのままの存在を肯定することが大切。
  • 「なんで?」「みんなは〜」といったNGな言葉を避け、子どもの味方であることを伝え続ける。
  • 無理やり学校に行かせたり、原因を問い詰めたりするのは逆効果。
  • 家庭だけで抱え込まず、スクールカウンセラーや教育支援センターなどの専門機関に相談する勇気を持つ。

お子さんが不登校になると、親として焦りや不安を感じるのは当然のことです。しかし、今一番大切なのは、お子さんが安心して心を休め、エネルギーを充電できる居場所を作ってあげることです。

「学校に行くこと」をゴールにするのではなく、お子さんが自分らしさを取り戻し、自信を持って自分の人生を歩んでいけるようにサポートすること。その視点に立てば、親として今すべきことが見えてくるはずです。

焦らず、お子さんのペースを信じて、ゆっくりと前に進んでいきましょう。この記事が、悩めるあなたの心を少しでも軽くする一助となれば幸いです。

不登校や自己肯定感の低下に悩むお子さんには、安心して過ごせる「居場所」が必要です。
学研WILL学園では、学習だけでなく、心のケアや自己肯定感を育む関わりを大切にしています。

「一度相談してみたい」「子どもに合う支援方法を知りたい」そう感じたタイミングで、どうぞお気軽にお声がけください。

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