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不登校は担任のせい?先生が原因の時の親の対応・解決策

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「担任の先生が怖いから、学校に行きたくない…」 お子さんからそう打ち明けられたら、親として本当に胸が締め付けられる思いがしますよね。「もしかして、担任の先生が原因で不登校に…?」と不安に思うのは当然のことです。

学校に相談しても「様子を見ましょう」と言われるだけで、担任が何もしない状況に、不信感や焦りを感じている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、どうか一人で抱え込まないでください。先生が原因で不登校になるケースは決して珍しくなく、親として適切な行動をとることで、状況を改善できる可能性は十分にあります。

この記事では、お子さんが担任の先生との関係で悩んでいる保護者の方に向けて、今すぐできる初期対応から、学校への具体的な伝え方、そして学校が動いてくれない場合の相談先まで、解決に向けたステップを分かりやすく解説します。

お子さんの心と未来を守るために、今できることから始めていきましょう。

不登校の背景には、担任との関係だけでなく、家庭や学校環境などさまざまな要因が関わることもあります。下記の記事では、不登校の原因をより広い視点から整理しています。

担任が原因で不登校になる3つのケース

まず、お子さんの状況を客観的に把握するために、担任が原因で不登校につながる代表的な3つのケースを見ていきましょう。ご自身の状況がどれに近いか確認してみてください。

ケース1:先生との相性が合わない

一つ目は、先生との人間的な相性や、指導方針が合わないケースです。

これは、どちらかが一方的に悪いというわけではなく、性格や価値観の違いからすれ違いが生まれてしまう状況です。

  • 子どもの性格(おとなしい、マイペースなど)を先生が理解してくれない
  • 先生の指導方針(厳しい、細かいなど)が子どもにとって大きなストレスになっている
  • 先生の話し方や態度に、子どもが威圧感や苦手意識を感じている

特に小学生のお子さんの場合、担任の先生はクラスの絶対的な存在です。その先生と合わないと感じると、学校生活そのものが苦痛になってしまうことがあります。

ケース2:先生が怖い・嫌い

二つ目は、先生の言動が原因で、子どもが「怖い」「嫌い」という強い感情を抱いているケースです。

子どもが「先生が怖い」と感じる背景には、以下のような具体的な言動が隠れていることがあります。

  • 感情的に怒鳴る、高圧的な態度をとる
  • 特定の子どもだけを厳しく叱責する
  • 子どもの意見や訴えを無視したり、まともに取り合わなかったりする
  • 皮肉や嫌味を言う

このような経験が続くと、子どもは先生の顔色をうかがうようになり、学校へ行くことに強い恐怖心を抱くようになります。これは中学生や高校生でも十分に起こり得る問題です。

ケース3:指導を超えたいじめや暴言

三つ目は、指導の範囲を明らかに超えた、いじめや暴言(パワーハラスメント)があるケースです。

これは単なる「相性」や「厳しい指導」の問題ではなく、子どもの人権を侵害する深刻な問題です。

  • 「お前がいるとクラスの迷惑だ」などの人格を否定する暴言
  • 他の生徒の前で繰り返し恥をかかせる、見せしめにする
  • わざと無視したり、仲間外れにしたりする
  • 暴力や、それに近い行為(物を投げつける、叩くなど)

もしお子さんがこのような被害に遭っている場合、それは教育ではなく「いじめ」です。一刻も早く子どもをその環境から引き離し、断固とした対応をとる必要があります。

親が今すぐやるべき初期対応チェックリスト

お子さんから「担任のせいで学校に行きたくない」と聞かされたとき、親としてどう動けばいいのでしょうか。焦る気持ちを抑え、まず以下の3つの初期対応を確実に行いましょう。

子どもの話を否定せずに聞く

最も大切なことは、お子さんの話を否定せず、最後までじっくりと聞くことです。

「そんなはずない」「あなたにも悪いところがあったんじゃない?」といった言葉は、子どもをさらに追い詰めてしまいます。まずは「そうだったんだね、話してくれてありがとう」と、お子さんの気持ちを丸ごと受け止めてあげてください。

「あなたのせいじゃないよ」と伝えることで、お子さんは「親は自分の味方だ」と安心できます。この安心感が、次の一歩を踏み出すための土台になります。

言動や状況を具体的に記録する

お子さんの話が落ち着いて聞けたら、具体的な事実を記録に残しましょう。感情的な訴えだけでは、学校側に状況が伝わりにくいためです。

以下の「5W1H」を意識して、できるだけ客観的にメモを取ることをおすすめします。

  • いつ(When)
    日付や時間

  • どこで(Where)
    教室、廊下、校庭など

  • 誰が(Who)
    担任の先生

  • 何を(What)
    何を言われたか、何をされたか(具体的な言葉や行動)

  • なぜ(Why)
    どのような状況でそうなったか

  • どのように(How)
    その結果、子どもがどう感じたか、どうなったか

この記録は、後で学校と話し合う際の非常に重要な資料となります。

学校を休ませる勇気を持つ

お子さんが「学校に行きたくない」と訴えている場合、無理に登校させるのはやめましょう

親としては「勉強が遅れてしまう」「休み癖がつくのでは」と心配になるかもしれません。しかし、心身が限界を迎えている子どもにとって、学校は安心できる場所ではありません。

まずは安全な家で心と体を休ませることが最優先です。学校を休むことは「逃げ」ではなく、自分を守るための大切な「戦略的撤退」だと、お子さんにも伝えてあげてください。

学校への相談・要求の4ステップ

子どもの心を休ませ、状況を整理できたら、次はいよいよ学校へのアプローチです。感情的にならず、冷静かつ戦略的に進めることが問題解決のカギとなります。

ステップ1:相談相手とアポを取る

まず、相談の予約(アポイントメント)を取ります。このとき、いきなり担任本人に話をするのは避けましょう。当事者同士では感情的になりやすく、話がこじれる可能性があります。

最初に相談すべき相手は、担任より一つ上の役職の先生です。

  • 【小学校の場合】
    学年主任、教務主任、教頭など

  • 【中学校・高校の場合】
    学年主任、生徒指導主事、教頭など

電話で「子どもの学校生活のことで、〇〇先生(学年主任など)にご相談したい件があり、お時間をいただけますでしょうか」と伝え、日程を調整しましょう。

ステップ2:事実と要望を冷静に伝える

話し合いの当日は、感情的にならず、準備した記録をもとに事実を淡々と伝えることを心がけてください。

目的は「担任を罰すること」ではなく、「子どもが安心して学校に通える環境を作ること」です。そのスタンスで臨みましょう。

伝えるべきこと

  • 【事実】
    記録したメモに基づき、「いつ、どこで、担任からこのような言動があり、子どもが深く傷ついて学校に行けない状況です」と具体的に説明します。

  • 【要望】
    学校にどうしてほしいのかを明確に伝えます。「まずは事実確認をお願いします」「子どもへの接し方について、改善を求めます」「当面の間、子どもが先生と直接関わらないような配慮をお願いします」など、具体的な要望を伝えましょう。

「担任を責める」のではなく、「子どもの状況を改善するために協力してほしい」という姿勢で話すことが、学校側の協力的な姿勢を引き出すポイントです。

ステップ3:話し合いの内容を記録に残す

話し合いで「言った、言わない」のトラブルを防ぐため、内容を記録に残すことが非常に重要です。

  • 【録音】
    「正確に記録するため、録音させていただいてもよろしいでしょうか?」と、事前に許可を得てICレコーダーなどで録音するのが最も確実です。

  • 【議事録】
    録音が難しい場合は、話し合いの内容をその場でメモし、最後に「本日の話し合いは、この内容でよろしいでしょうか?」と学校側と相互に確認しましょう。

この記録は、万が一学校の対応に不満があり、次のステップに進む際の証拠となります。

ステップ4:今後の対応策と期限を確認する

話し合いの最後には、「様子を見ましょう」で終わらせないように注意してください。

「誰が、いつまでに、何をするのか」という具体的なアクションプランと期限を必ず確認しましょう。

  • 例1
    「来週の〇曜日までに、担任の先生から事実確認をして、その結果をご報告いただけますか?」

  • 例2
    「明日から1週間、保健室登校を認めていただき、その間の学習プリントなどをご用意いただけますか?」

次回の連絡日や面談日を設定することで、問題が放置されるのを防ぎます。

学校が対応しない・動かない時の相談先

学校に相談しても真摯に対応してくれない、担任が何もしない、あるいは状況が悪化する…。残念ながら、そうしたケースも存在します。その場合は、校内だけで解決しようとせず、外部の力を借りる必要があります。

学年主任や教頭・校長に相談する

まだ校長や教頭といった管理職に相談していない場合は、学校の最高責任者である校長に直接相談しましょう。これまでの経緯をまとめた記録を持参し、組織としての対応を強く求めてください。

教育委員会に相談・通報する

学校組織全体が機能していないと感じた場合は、その地域を管轄する教育委員会に相談・通報します。教育委員会は、各学校を指導・監督する立場にあります。

市区町村の役所のウェブサイトなどで連絡先を調べ、「学校教育課」「指導課」といった部署に連絡を取りましょう。これまでの学校とのやり取りの記録を提示し、客観的な事実を伝えることが重要です。

法テラスや弁護士に相談する

担任の言動が暴言やいじめに該当し、お子さんの人権が侵害されていると考えられる場合は、法的な対応も視野に入れる必要があります。

どこに相談すればよいか分からない場合は、国が設立した法的トラブルの相談窓口である「法テラス(日本司法支援センター)」を利用するのも一つの手です。収入などの条件によっては、無料で法律相談を受けられます。

不登校支援のNPO法人を頼る

学校や行政とは異なる、第三者の視点からアドバイスが欲しい場合は、不登校の子どもや親を支援しているNPO法人などに相談するのも有効です。

同じような経験をしたカウンセラーやスタッフから、具体的なアドバイスや精神的なサポートを受けられることがあります。また、フリースクールなどの情報提供も行っています。

子どもを守るための具体的な解決策

学校との交渉や外部への相談と並行して、お子さんにとっての最善の環境は何かを考え、具体的な解決策を検討していきましょう。

担任変更やクラス替えを要求する方法

担任の変更やクラス替えは、問題解決のための有効な手段の一つです。しかし、学校にとっては大きな負担となるため、実現のハードルは決して低くありません。

要求を成功させるためには、以下の点が重要です。

  • 担任の不適切な言動を証明する客観的な証拠(記録、録音など)
  • 医師による診断書(ストレスが原因で心身に不調をきたしている場合)
  • 「このままでは学校に通えない」という強い意志を粘り強く伝えること

年度途中の担任変更は難しい場合も多いですが、クラス替えや、特定の授業だけ別の先生が担当するといった柔軟な対応を求めていきましょう。

転校のメリット・デメリットと手続き

現在の学校で解決が見込めない場合、環境をリセットする「転校」も重要な選択肢です。

  • 【メリット】
    • 担任との関係を完全に断ち切れる。
    • 心機一転、新しい環境で再スタートできる。
    • お子さんが学校に通うきっかけになる可能性がある。

  • 【デメリット】
    • 新しい友人関係を築く必要がある。
    • 転校先でも同じような問題が起きないとは限らない。
    • 手続きに手間がかかる。

公立学校間の転校は、原則として引っ越しが必要ですが、いじめなどが原因の場合は、教育委員会の判断で学区外への転校が認められることもあります。まずは教育委員会に相談してみましょう。

フリースクール等の学校以外の居場所

学校に戻ることだけがゴールではありません。お子さんの心が回復し、自分らしくいられる場所を見つけることが何よりも大切です。

フリースクールやオルタナティブスクールは、子ども一人ひとりの個性やペースを尊重した教育を行っています。また、オンライン教材や家庭教師を活用して、自宅で学習を進める方法もあります。

お子さんのエネルギーが回復するまで、学校以外の多様な学びの場があることを知り、視野を広げてみてください。

学校や担任との関係に限界を感じたときは、思い切って環境を変えることも選択肢の一つです。
無理に元の学校へ戻すよりも、安心して学べる“新しい居場所”を見つけることが、お子さんを前に進ませるきっかけになる場合もあります。

不登校と担任に関するよくある質問

最後に、保護者の方からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 担任に法的責任やペナルティは問える?

A. 可能性はありますが、ハードルは高いのが実情です。

教師には、生徒が安全に学校生活を送れるように配慮する「安全配慮義務」があります。暴言やいじめによって生徒が精神的な苦痛を受け、不登校になった場合、この義務に違反したとして損害賠償を請求できる可能性はあります。

ただし、そのためには教師の言動の違法性や、それと不登校との因果関係を客観的な証拠で立証する必要があります。まずは弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。また、公立学校の教員の場合、懲戒処分などのペナルティは任命権者である教育委員会が判断します。

Q. 子どもが担任に会いたくないと言ったら?

A. 無理に会わせる必要は一切ありません。

お子さんが「先生に会いたくない」と明確に意思表示している場合、その気持ちを最優先してください。無理に会わせることは、トラウマを深めるだけです。

学校と相談し、保健室登校や別室での自習など、担任と顔を合わせずに済む方法を検討してもらいましょう。保護者が連絡帳や教材の受け渡しを行うなど、子どもと担任の接点をなくす工夫も必要です。

Q. 不登校中の学習の遅れはどうする?

A. まずは心の回復を優先し、焦らないことが大切です。

学習の遅れは心配だと思いますが、心が疲弊している状態では、勉強も頭に入りません。まずはゆっくり休み、お子さんにエネルギーが戻ってくるのを待ちましょう。

少し元気が出てきたら、以下のような方法で学習をサポートできます。

  • 【オンライン学習教材】
    自分のペースで進められます。
  • 【フリースクール】
    学習サポートが充実している場所もあります。
  • 【家庭教師】
    1対1で丁寧に教えてもらえます。

学校によっては、不登校中の自宅学習を「出席扱い」とする制度もありますので、学校や教育委員会に確認してみてください。

家庭での学習を続けるなら、専門のサポートを活用するのもおすすめです。
弊社が運営する学研の家庭教師では、不登校や発達特性を持つお子さんにも寄り添い、安心して学べる環境づくりをサポートしています。

まとめ

お子さんが「担任のせい」で不登校になったとき、親は孤独や無力感に苛まれがちです。しかし、正しい知識を持って、段階的に行動を起こせば、必ず道は開けます。

この記事でご紹介したポイントを、もう一度振り返ってみましょう。

  • 初期対応
    子どもの話を信じて聞き、状況を記録し、まずは休ませる。

  • 学校への相談
    感情的にならず、記録をもとに事実と要望を冷静に伝える。

  • 学校が動かない場合
    教育委員会や弁護士など、外部の力をためらわずに借りる。

  • 解決策
    担任変更、転校、フリースクールなど、子どもにとって最善の環境を模索する。

何よりも大切なのは、「あなたのせいではない」「いつでもあなたの味方だよ」とお子さんに伝え続けることです。

一人で抱え込まず、この記事を参考に、お子さんの笑顔を取り戻すための一歩を踏み出してください。あなたの行動が、お子さんの未来を守る力になります。

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