「明日、学校に行きたくないな…」 「なんでかわからないけど、学校って考えると涙が出てくる…」
今、この記事を読んでいる君は、そんな風に一人で悩んでいませんか?
朝、お腹が痛くなったり、体が鉛のように重く感じたり。親に心配をかけたくなくて「なんでもない」と嘘をついてしまうこともあるかもしれません。
「学校に行きたくない」と感じるのは、決して君が弱いからでも、サボりたいからでもありません。 それは、君の心が「もう限界だよ」「少し休んで」と送っている大切なサインなんです。
この記事では、なぜ学校に行きたくないと感じるのか、その理由を一緒に探りながら、君の心が少しでも軽くなるための具体的な方法をお伝えします。
大丈夫、君は一人じゃありません。焦らず、自分のペースで読み進めてみてください。
「学校に行きたくない」のは、決して悪いことじゃない

まず一番に伝えたいのは、「学校に行きたくない」と感じる自分を責めないでほしいということです。
実は、同じように悩んでいる中学生はたくさんいます。「学校が辛い」「疲れた」と感じるのは、ごく自然なこと。それは、君が毎日たくさんのことを頑張っている証拠でもあります。
心が「行きたくない」と感じるのは、これ以上傷つかないように自分を守ろうとする、本能的な反応です。だから、その気持ちを無視したり、無理に押さえつけたりする必要はありません。
まずは「そっか、自分は今、行きたくないんだな」と、その気持ちを認めてあげることから始めてみましょう。
学校に行きたくない理由がわからない…考えられる原因は?

「行きたくないけど、いじめられてるわけじゃないし、はっきりした理由がわからない…」 そう感じている人も多いのではないでしょうか。理由がわからないと、余計にモヤモヤしてしまいますよね。
でも、言葉にできないだけで、心や体はちゃんと原因を感じ取っているのかもしれません。考えられる原因をいくつか見ていきましょう。
人間関係の悩み
自分では「ちょっとしたこと」と思っていても、無意識のうちにストレスになっていることがあります。
- ・友達との関係
グループ内で気を使って疲れてしまう、仲間外れにされている気がする、親友だと思っていた子と些細なことで気まずくなった、など。 - ・クラスの雰囲気
なんとなくクラスに馴染めない、一人でいるのが辛い、周りの目が気になる。 - ・いじめ
直接的な暴力や悪口だけでなく、無視されたり、SNSで悪口を書かれたりする「見えないいじめ」も、心を深く傷つけます。
勉強や進路への不安
中学生になると、勉強の内容も難しくなり、将来のことを考える機会も増えてきます。
- ・授業についていけない
「自分だけわからない」という焦りや、当てられることへの恐怖。 - ・成績やテストのプレッシャー
親や先生からの期待が重荷になったり、周りの友達と自分を比べて落ち込んだりする。 - ・将来への漠然とした不安
「高校受験、どうしよう」「将来やりたいことが見つからない」といった、先の見えない不安。
学校生活そのものへのストレス
学校という場所自体が、窮屈に感じられることもあります。
- ・先生との関係
特定の先生が怖い、先生にうまく相談できない、理不尽に怒られた経験がある。 - ・部活動
練習が厳しすぎる、先輩や後輩との関係がうまくいかない、本当は辞めたいけど言えない。 - ・校則やルール
厳しい校則に縛られている感じがして、窮屈に感じる。
心や体のサイン(気づかないうちに溜まったストレス)
自分でも気づかないうちに、心や体が悲鳴を上げているのかもしれません。
- ・生活リズムの乱れ
夜更かしやスマートフォンの見過ぎで睡眠不足になり、朝起きるのが辛くなる。 - ・身体的な不調
朝になると決まって頭痛や腹痛がする。これは、学校へのストレスが原因で起こる心身症(しんしんしょう)かもしれません。 - ・HSC(ひといちばい敏感な子)の可能性
周りの人の感情や、光、音などにとても敏感で、他の人より疲れやすい気質のことです。学校のような人が多く、刺激の多い場所では、エネルギーを使い果たしてしまうことがあります。 - もし「人の感情や音、光などに敏感で疲れやすい」と感じるなら、HSC(ひといちばい敏感な子)の気質が関係しているかもしれません。
- HSCの特徴や向き合い方を知ることで、自分のことを少し理解できるヒントになります。
また、「どうしても理由がわからない」「何がつらいのか自分でも整理できない」という場合、心の奥に隠れた要因があるかもしれません。より詳しい背景を知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
もし、理由がわからないまま辛い状態が続くなら、それは心が疲れているサインです。無理に原因を探そうとせず、まずはゆっくり休むことを考えてみてください。
今すぐできる!心が少し楽になる3つの対処法

「原因はなんとなくわかったけど、じゃあどうすればいいの?」と思いますよね。 ここでは、今すぐ君が試せる、心を少し楽にするための方法を3つ紹介します。
1. まずはゆっくり休むことを考えよう
一番大切なのは、無理して学校に行かないということです。
「休んだら勉強が遅れる」「親に怒られるかも」と不安になる気持ちもわかります。でも、心が疲弊しきった状態で学校へ行っても、授業に集中できなかったり、余計に辛くなったりするだけです。
1日、思い切って休んでみませんか? 心と体を休ませることは、前に進むための大切な時間です。「逃げ」ではなく「戦略的撤退」だと考えてみてください。安全な家でゆっくり過ごすことで、冷静に自分の気持ちと向き合う余裕が生まれるはずです。
2. 自分の好きなことに時間を使ってみる
学校のことを考えない時間を作るのも、とても効果的です。
なんでも構いません。君が「楽しい」「心地いい」と感じることに時間を使ってみましょう。そうすることで、心にたまったストレスが少しずつ軽くなっていきます。
3. 気持ちを紙に書き出してみる
誰にも言えないモヤモヤした気持ちは、紙に書き出すことでスッキリすることがあります。
ノートやいらない紙でいいので、今感じていることを、思いつくままに全部書き出してみましょう。
「〇〇がむかつく」「もう疲れた」「なんで私だけ」「明日が来なければいいのに」
誰に見せるわけでもないので、どんな汚い言葉でも大丈夫です。頭の中にある感情を外に出すことで、自分の気持ちが整理されて、「自分はこんなことで悩んでいたんだ」と客観的に見つめ直すきっかけになります。
勇気を出して相談してみよう。誰に、どうやって伝えればいい?

一人で悩みを抱え続けるのは、本当に辛いことです。 「誰かに話したいけど、なんて言えばいいかわからない…」 そんな君のために、相談相手や伝え方のヒントを紹介します。
親に「学校に行きたくない」と伝える方法
一番身近な存在である親に伝えるのは、とても勇気がいることだと思います。怒られたり、心配させすぎたりしないか不安ですよね。
伝える時のポイント
伝え方の例文
学校の先生やスクールカウンセラーに相談する
親には言いにくいことでも、先生になら話せる場合もあります。
- 【話しやすい先生を選ぶ】
担任の先生でなくても、部活の顧問や保健室の先生など、君が「この先生なら信頼できる」と思える人を選びましょう。 - 【スクールカウンセラーを利用する】
学校には、スクールカウンセラーという心の専門家がいます。相談した内容は秘密厳守なので、安心して話すことができます。保健室の先生に言えば、予約を取ってくれることが多いです。
外部の相談窓口を利用する
「親にも先生にも言えない…」という場合は、匿名で相談できる外部の窓口を頼ってみましょう。電話やLINEで、顔も名前も明かさずに相談できます。
専門の相談員さんが、君の気持ちを否定せずに、優しく話を聞いてくれます。
ここに電話をかけるのは、とても勇気がいることだと思います。でも、話すだけで心が軽くなることは本当にあります。「ただ聞いてもらうだけ」でもいいので、選択肢の一つとして覚えておいてください。
学校を休んだらどうなる?勉強や進路の不安について

学校を休むと決めても、「勉強が遅れたらどうしよう」「高校受験に影響しないかな」といった不安が頭をよぎりますよね。でも、大丈夫。道は一つではありません。
勉強の遅れを取り戻す方法
今は、学校に行かなくても勉強できる方法がたくさんあります。
- ・オンライン学習教材
自分のペースで、苦手なところを何度も繰り返し学習できます。 - ・家庭教師や個別指導塾
先生と一対一で、わからない部分をじっくり教えてもらえます。 - ・教科書を読んでみる
まずは教科書を自分のペースで読んでみるだけでも、気持ちが落ち着くことがあります。
焦る必要はありません。まずは心と体を回復させてから、少しずつ取り組めば大丈夫です。
出席日数が心配な君へ
公立高校の入試では、不登校の事情を考慮してくれる場合があります。 また、学校によっては「保健室登校」や「別室登校」も出席として認められることがあります。
すぐに将来を悲観せず、まずはエネルギーを充電することに集中しましょう。進路については、元気になってから先生や親と一緒に考えていけば、必ず君に合った道が見つかります。
学校を休んでも、将来の道が閉ざされるわけではありません。不登校の経験を持つ中学生が、どのように進路を選んでいったのかを紹介する記事もあります。
学校に行くだけが全てじゃない。君にはたくさんの選択肢がある
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もし、今の学校に戻るのがどうしても辛いなら、別の場所で学ぶという選択肢もあります。学校に行くことだけが、すべてではありません。
フリースクールという選択肢
フリースクールとは、さまざまな理由で学校に行けない・行かない子どもたちが、自分のペースで過ごせる「もう一つの学びの場」です。
- ・少人数でアットホームな雰囲気
- ・一人ひとりの個性やペースを尊重してくれる
- ・勉強だけでなく、体験活動やイベントが豊富なところも多い
条件を満たせば、フリースクールへの登校が、在籍している中学校の出席として認められる制度もあります。君らしくいられる場所が、学校の外にあるかもしれません。
通信制高校・サポート校という道
中学卒業後の進路になりますが、毎日学校に通う「全日制高校」だけが選択肢ではありません。
通信制高校は、レポート提出やオンライン授業を中心に、自分のペースで学習を進め、高校卒業資格を目指せる学校です。週に数日だけ通うスタイルや、年に数回のスクーリングだけのスタイルなど、様々な形があります。
君の興味やライフスタイルに合った学び方が、きっと見つかるはずです。
【保護者の方へ】お子さんから「学校に行きたくない」と言われたら

この記事をお子さんと一緒にご覧になっている保護者の方もいらっしゃるかもしれません。お子さんから「学校に行きたくない」と打ち明けられた時、どう対応すればよいか、3つのポイントをお伝えします。
1. まずは子どもの気持ちを受け止める
お子さんが勇気を振り絞って発した「行きたくない」という言葉。その時、最も大切なのは、その気持ちを否定せずに受け止めることです。
「どうして?」「頑張りなさい」と問い詰めるのではなく、「そうなんだね、話してくれてありがとう」「学校で何か辛いことがあったんだね」と、まずは共感の姿勢を示してください。お子さんは、自分の気持ちを認めてもらえただけで、少し安心できるはずです。
2. 無理に理由を聞き出そうとしない
「何があったの?」と原因を知りたくなるのは当然です。しかし、お子さん自身も理由がわからず混乱していることが少なくありません。
問い詰められると、お子さんは自分を責めたり、心を閉ざしてしまったりすることがあります。まずは「何があってもあなたの味方だよ」というメッセージを伝え、安心できる家庭環境を整えることを最優先してください。
3. 学校や専門家と連携する
家庭だけで問題を抱え込む必要はありません。担任の先生やスクールカウンセラーに連絡を取り、学校での様子を聞いたり、今後の対応を相談したりしましょう。
また、地域の教育支援センターや医療機関、民間のカウンセリングなど、外部の専門家の力を借りることも非常に有効です。客観的な視点からのアドバイスが、解決の糸口になることもあります。
お子さんの不登校に向き合う中で、「どう接すればいいのか」「親の自分もつらい」と感じる方も多いものです。そんな時に役立つ記事を以下に紹介します。
まとめ:君は一人じゃない。焦らず、自分のペースで大丈夫
改めて伝えたいのは、「学校に行きたくない」と思うのは、君が弱いからでも、ダメだからでもないということです。
それは、君の心が発している「少し休みたい」という正直な声。まずはその声に耳を傾け、自分自身をいたわってあげてください。
この記事で紹介したことを、すべて一度にやる必要はありません。
君の人生は、学校だけがすべてではありません。今がどんなに辛くても、道は必ずあります。
焦らず、一歩ずつ。君のペースで進んでいけば大丈夫です。君が笑顔で過ごせる日が来ることを、心から願っています。
学校がつらいと感じたときは、一人で抱え込まなくて大丈夫。学研WILL学園が、一人ひとりに寄り添いながら新しい一歩をサポートします。




