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通級指導教室と特別支援学級の違いとは?対象者や選び方を解説

特別支援学校

「子どもが授業についていけない」「集団生活が苦手で、学校に行きたがらない」といった悩みを抱えていませんか。

お子さんの学習や学校生活に不安があるとき、選択肢となるのが通級指導教室や特別支援学級です。しかし、それぞれの違いや対象となる子どもの特徴が分からず、どちらを選ぶべきか迷う保護者の方も少なくありません。

この記事では、通級指導教室と特別支援学級の違いについて、対象者や指導内容、メリット・デメリット、利用開始までの流れを分かりやすく解説します。

学校生活に不安がある場合の支援先についても紹介するので、お子さんに合った学びの場を考える際の参考にしてください。


通級指導教室と特別支援学級の違いとは?

通級指導教室と特別支援学級の大きな違いは、在籍する学級と支援を受ける方法にあります。

通級指導教室は通常の学級に在籍しながら必要な指導を受ける仕組みであり、特別支援学級は少人数の学級に在籍して、一人ひとりの状況に合わせた指導を受ける仕組みです。

まずは、それぞれの特徴を確認しましょう。

通級指導教室は通常学級に在籍しながら支援を受ける

通級指導教室とは、通常の学級に在籍しながら、一部の時間に障害の特性に応じた特別な指導を受ける場です。

普段は通常の学級で授業を受け、必要な時間だけ別の教室などで指導を受けます。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 在籍学級: 通常の学級に在籍する
  • 指導内容: 学習や生活上の困難を改善・克服するための指導を受ける
  • 指導時間: 原則として年間35〜280単位時間(週1〜8単位時間程度)が標準
  • 指導場所: 在籍校の教室のほか、他校の通級指導教室を利用する場合もある

なお、ADHD(注意欠如・多動症)や学習障害(LD)のある子どもについては、年間10〜280単位時間が標準とされています。

通級は単なる学習の補習ではなく、子どもが自分の特性を理解し、学校生活での困りごとに対応する力を身につけることを目的としています。

(参考:文部科学省「障害に応じた通級による指導の手引」)

特別支援学級は少人数で学ぶ学級

特別支援学級とは、障害による学習上・生活上の困難がある子どもに対して、少人数で一人ひとりの状況に合わせた指導を行う学級です。

小学校や中学校の中に設置され、知的障害や自閉症・情緒障害など、障害の種類に応じた学級があります。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 在籍学級: 特別支援学級に在籍する
  • 指導内容: 子どもの特性や学習状況に合わせた指導を受ける
  • 少人数制: 公立小・中学校では1学級8人を標準として編制される
  • 交流及び共同学習: 通常の学級の子どもと、一部の授業や学校行事などで一緒に活動する機会がある

特別支援学級では、子どもの状況に応じて特別の教育課程を編成することができます。

通常の学級とは異なる進度で学習したり、日常生活で必要な力を身につけたりするなど、一人ひとりに合った学び方を考えられることが特徴です。

通級指導教室と特別支援学級の違いを比較表で解説

両者の違いを整理すると、以下のようになります。

比較項目通級指導教室特別支援学級
在籍学級通常の学級特別支援学級
主な対象通常の学級での学習を基本としながら、特別な指導が必要な子ども障害の状態に応じて、少人数で継続的な指導が必要な子ども
指導時間必要な時間に通級による指導を受ける特別支援学級での授業を基本とする
学習内容通常の学級の教育課程を基本とし、特別な指導を加える必要に応じて特別の教育課程を編成する
教員通常の学級の担任と通級担当教員特別支援学級の担任
友人との交流通常の学級で過ごす時間が中心交流及び共同学習の機会がある
学級規模通常の学級に在籍し、通級では個別・小集団などで指導公立小・中学校では1学級8人が標準

※具体的な支援内容や運用方法は、学校や自治体によって異なります。

通級指導教室と特別支援学級のどちらが適しているかは、障害の診断名だけでは決まりません。

子どもが学校生活でどのような困難を抱えているのか、どの程度の支援を必要としているのかを踏まえて検討することが大切です。


通級指導教室の対象者とメリット・デメリット

通級指導教室は、通常の学級での学習や生活を基本としながら、特定の困りごとについて支援を受けたい子どもに適した仕組みです。

対象には、ADHDや学習障害、自閉スペクトラム症(ASD)、言語障害、難聴など、さまざまな障害のある子どもが含まれます。

ADHDや学習障害への支援内容

ADHDや学習障害のある子どもは、特定の学習活動や集団生活で困難を感じる場合があります。

通級指導教室では、それぞれの特性に応じた指導が行われます。

ADHDのある子どもへの支援例

  • 注意や集中への対応: 学習環境を整理し、集中しやすい方法を身につける
  • 感情のコントロール: 気持ちを落ち着かせる方法や、困ったときの対処法を学ぶ
  • 行動の見通し: 予定を確認しながら、活動の順序や時間の使い方を練習する

学習障害のある子どもへの支援例

  • 読み書きの支援: 音声読み上げやタブレットなどを活用する
  • 計算の支援: 図や具体物を使い、理解しやすい方法を探す
  • 学習方法の工夫: 得意な力を活用しながら、苦手な部分を補う方法を身につける

例えば、文字を書くことに強い負担を感じる子どもであれば、タブレットによる入力を取り入れることで、学習に参加しやすくなる場合があります。

大切なのは、苦手なことを無理に克服させるだけでなく、子どもが自分に合った学び方を見つけられるよう支援することです。

学習障害のある子どもへの支援を考える際は、障害の特徴や苦手なことへの対処法を理解しておくことも大切です。学習障害の種類や具体的な支援方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

自閉スペクトラム症や情緒障害への支援内容

自閉スペクトラム症(ASD)や情緒障害のある子どもに対しては、対人関係や感情の調整などに関する支援が行われることがあります。

具体的な指導例は以下のとおりです。

  • コミュニケーションの練習: 自分の気持ちの伝え方や、助けを求める方法を学ぶ
  • 対人関係への支援: ソーシャルスキルトレーニング(SST)などを通して、人との関わり方を考える
  • 感覚過敏への対応: 音や光などの刺激による負担を軽減する方法を探す
  • 環境の変化への対応: 予定変更がある場合の対処法や、見通しを持つ工夫を学ぶ

例えば、教室の騒がしさに強い負担を感じる場合は、座席の位置や休憩場所について学校と相談することが考えられます。

通級指導教室のメリット・デメリット

通級指導教室には、通常の学級での生活を続けながら必要な支援を受けられるメリットがあります。

メリット

  • 通常の学級で友人と過ごせる: 普段の学校生活を大きく変えずに支援を受けられる
  • 特性に応じた指導を受けられる: 一人ひとりの困りごとに合わせて学習や生活の工夫を考えられる
  • 自分に合った対処法を身につけられる: 得意なことを活かしながら、苦手な場面への対応を学べる

デメリット

  • 移動の負担が生じる場合がある: 他校通級では移動時間や送迎の調整が必要になることがある
  • 通常の授業との調整が必要: 通級の時間帯によっては、通常の学級での授業を受けられない場合がある
  • 担任との連携が重要: 通級で学んだことを日常の学校生活に活かすには、教員間の情報共有が欠かせない

通級指導教室は、すべての困りごとを解決する場所ではありません。

通常の学級での合理的配慮や支援と組み合わせながら、子どもが安心して過ごせる環境を整えることが重要です。


特別支援学級の対象者とメリット・デメリット

特別支援学級は、障害の状態に応じて、少人数で継続的な指導を受ける必要がある子どものための学級です。

通常の学級での学習や集団生活に大きな負担を感じている場合などに、選択肢となります。

知的障害や自閉症・情緒障害への支援内容

特別支援学級には、知的障害や自閉症・情緒障害など、障害の種類に応じた学級があります。

例えば、以下のような指導が行われます。

知的障害のある子どもへの支援

  • 子どもの理解度に合わせて学習内容や進度を調整する
  • 具体物や視覚的な教材を使って理解を促す
  • 日常生活に必要な習慣や技能を身につける

自閉症・情緒障害のある子どもへの支援

  • 見通しを持ちやすいように活動の流れを示す
  • 感情の調整やコミュニケーションを支援する
  • 子どもの特性に応じて学習環境を整える

また、特別支援学級では、子どもの状況に合わせて個別の指導計画などを作成し、具体的な目標や指導方法を整理します。

少人数の環境で、子どものペースを尊重しながら学習を進められることが特徴です。

特別支援学級のメリット・デメリット

特別支援学級では、子どもの特性や学習状況に合わせた指導を受けられます。

一方で、利用にあたっては確認しておきたい点もあります。

メリット

  • 少人数で学べる: 大人数の授業に負担を感じる子どもも、落ち着いて学習できる場合がある
  • 学習進度を調整できる: 子どもの理解度に合わせて、必要な内容を丁寧に学べる
  • 個別の支援を受けやすい: 学習面だけでなく、コミュニケーションや生活面の課題にも対応しやすい

デメリット・注意点

  • 学習内容に違いが生じる場合がある: 通常の学級とは学習進度や指導内容が異なることがある
  • 交流の機会は学校によって異なる: 通常の学級との交流及び共同学習の実施状況を確認する必要がある
  • 希望する支援が受けられるとは限らない: 教員配置や学校の環境によって対応可能な内容が異なる

特別支援学級の利用を考える際は、学習内容だけでなく、教室の雰囲気や通常の学級との交流の機会についても確認しましょう。

不登校傾向のある子どもへの支援

通常の学級での集団生活や人間関係に負担を感じ、学校を休みがちになる子どももいます。

こうした場合、特別支援学級の少人数環境が、安心して過ごせる場所になることがあります。

例えば、以下のような支援が考えられます。

  • 刺激の少ない環境づくり: 音や人の多さによる負担を軽減する
  • 柔軟な学習支援: 子どもの理解度や状況に応じて学習方法を工夫する
  • 安心できる人間関係: 教員との関係を築きながら、少しずつ学校生活に慣れていく

ただし、不登校であることだけを理由に、特別支援学級の対象になるわけではありません。

また、特別支援学級に在籍すれば必ず登校できるようになるというものでもありません。

不登校の背景には、発達特性だけでなく、人間関係や学校環境、心身の状態など、さまざまな要因が関係しています。

学校に行きづらい理由を丁寧に整理し、お子さんの状況に合った支援を考えることが大切です。

発達特性と不登校の関係について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。


通級指導教室と特別支援学級はどちらを選ぶべき?

通級指導教室と特別支援学級のどちらを選ぶべきかは、子どもの障害の種類や学習状況、学校生活で必要な支援によって異なります。

大切なのは、どちらが優れているかではなく、お子さんが安心して学べる環境はどちらかを考えることです。

障害の診断名だけでなく必要な支援で選ぶ

通級指導教室と特別支援学級を選ぶ際は、ADHDや自閉スペクトラム症などの診断名だけで判断するのではなく、必要な支援の内容を確認しましょう。

例えば、通常の学級での学習を基本としながら、読み書きやコミュニケーションなどの特定の困りごとに対する指導が必要な場合は、通級指導教室が選択肢となります。

一方、少人数で継続的な指導を受ける必要がある場合は、特別支援学級が適していることがあります。

ただし、知的障害の有無や障害の程度だけで機械的に決められるものではありません。

学校生活で何に困っているのか、どのような配慮があれば学びやすくなるのかを具体的に整理することが重要です。

子どもの希望や学校での過ごしやすさを考える

学びの場を選ぶ際は、保護者や学校の判断だけでなく、子ども本人の気持ちを確認することも大切です。

例えば、以下のような点を考えてみましょう。

  • 大人数の教室で過ごすことに強い負担を感じていないか
  • 友人との交流をどのように感じているか
  • 授業の進度や学習方法が合っているか
  • 困ったときに安心して相談できる教員がいるか

子ども自身が希望を言葉にすることが難しい場合は、普段の様子や表情なども参考にしながら考えましょう。

実際の教室を見学したり、学校の支援体制について説明を受けたりすることも有効です。

入学後に通級と特別支援学級を変更することはできる?

入学後でも、子どもの状況に応じて学びの場を見直すことは可能です。

例えば、通常の学級で通級による指導を受けていた子どもが、より継続的な支援を必要とするようになった場合、特別支援学級への変更を検討することがあります。

反対に、特別支援学級に在籍している子どもについて、通常の学級への変更を検討する場合もあります。

ただし、変更には学校や教育委員会との相談・調整が必要です。

学びの場は、一度決めたら卒業まで変えられないものではありません。

子どもの成長や状況の変化に合わせて、必要な支援を見直していくことが大切です。


通級指導教室・特別支援学級の利用までの流れ

通級指導教室や特別支援学級の利用を考えている場合は、学校や自治体の相談窓口に早めに相談しましょう。

相談方法や手続きは自治体によって異なりますが、一般的には以下のような流れで検討します。

学校や教育委員会に相談する

まずは、現在通っている学校や入学予定の学校、市区町村の教育委員会に相談します。

主な相談先は以下のとおりです。

  • 学校の担任: 日常の学習状況や学校生活について相談する
  • 特別支援教育コーディネーター: 必要な支援や校内の支援体制について相談する
  • 教育委員会の就学相談窓口: 就学先や学びの場の選択について相談する

相談する際は、子どもの得意なことや苦手なこと、学校生活で困っている場面などを具体的に伝えましょう。

すでに学校を休みがちな場合は、登校への不安や家庭での様子も共有すると、必要な支援を考えやすくなります。

就学相談や見学を通して支援を検討する

小学校への入学を控えている場合は、就学相談を通じて必要な支援を検討します。

一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 就学相談の申し込み: 教育委員会などの窓口に相談する
  2. 面談・情報共有: 子どもの発達状況や学校生活で必要な支援を確認する
  3. 学校見学・体験: 通級指導教室や特別支援学級の環境を確認する
  4. 就学先や支援内容の検討: 本人・保護者の意向を踏まえ、必要な支援を検討する

必要に応じて、心理検査や行動観察などが行われる場合もあります。

なお、申し込み時期や手続きは自治体によって異なるため、早めに確認することをおすすめします。

就学先の決定方法と保護者の意向

就学先を検討する際は、子ども本人や保護者の意向が重要な判断材料となります。

文部科学省では、本人・保護者の意向を可能な限り尊重し、必要な支援について合意形成を図ることを原則としています。

そのうえで、障害の状態や必要な支援内容、地域の教育体制などを総合的に考慮し、最終的には市区町村教育委員会が就学先を決定します。

希望する学びの場と教育委員会の判断が異なる場合は、理由や支援内容について説明を受け、相談を重ねることが大切です。

(参考:文部科学省「障害のある子供の就学先決定について」)


通級指導教室・特別支援学級以外の支援先

通級指導教室や特別支援学級以外にも、子どもの状況に応じて利用できる支援先があります。

学校生活に強い不安がある場合は、学校内の支援だけに限定せず、さまざまな選択肢を検討することが大切です。

特別支援学校や放課後等デイサービス

障害の状態や必要な支援に応じて、特別支援学校や放課後等デイサービスなどの利用を検討することもできます。

特別支援学校

障害のある子どもに対して、専門的な教育を行う学校です。

視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱などを対象とし、子どもの状況に応じた教育が行われます。

特別支援学校と特別支援学級は名前が似ていますが、対象となる子どもや教育環境などに違いがあります。特別支援学校の入学条件や特徴について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

放課後等デイサービス

障害のある就学児などを対象に、授業終了後や学校の休業日に支援を提供する福祉サービスです。

生活能力の向上や社会との交流を支援するほか、学校以外の居場所としての役割を持つ施設もあります。

支援内容や利用条件は施設によって異なるため、自治体の窓口などで確認しましょう。

不登校の場合はフリースクールも選択肢になる

通級指導教室や特別支援学級を利用しても、学校生活への不安が解消されず、登校が難しい場合もあります。

そのようなときは、フリースクールなど学校以外の学びの場を検討することも一つの方法です。

フリースクールは、不登校のお子さんなどを対象に、学習支援や人との交流、安心して過ごせる居場所を提供する民間の施設です。

施設によって特徴は異なりますが、次のような支援が行われています。

  • 個別の学習支援: 子どもの理解度やペースに合わせて学習を進める
  • 居場所の提供: 安心して過ごせる環境を整える
  • コミュニケーションの支援: 少人数での活動などを通して人との交流を促す
  • 進路に関する相談: 子どもの希望や状況に応じた進路選択を支援する

フリースクールは通級指導教室や特別支援学級とは制度上の位置づけが異なりますが、学校と相談しながら、子どもに合った学び方を考えることができます。

また、発達障害の診断がなくても、学校生活に不安を抱えている子どもが利用できる施設もあります。

大切なのは、無理に登校を促すことではなく、お子さんが安心して学び、自分のペースで成長できる環境を見つけることです。

学研WILL学園でも、不登校や学校生活に不安を抱える小学生・中学生を対象に、一人ひとりのペースに合わせた学習支援や居場所づくりを行っています。現在の学校での過ごし方や、お子さんに合った学び方について悩んでいる場合は、相談することもできます。

フリースクールの特徴や学校との違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

まとめ

通級指導教室と特別支援学級の大きな違いは、在籍する学級や指導の受け方にあります。

  • 通級指導教室: 通常の学級に在籍しながら、学習や生活上の困りごとに応じた指導を受ける仕組み
  • 特別支援学級: 少人数の環境で、一人ひとりの特性や学習状況に合わせた指導を受ける学級

どちらを選ぶ場合も、障害の診断名だけで判断せず、お子さんの希望や必要な支援を踏まえて、学校や教育委員会と相談することが大切です。

また、学校生活への不安が強く、通級や特別支援学級でも登校が難しい場合には、フリースクールなど学校以外の学びの場も選択肢となります。

お子さんが安心して過ごし、自分のペースで学べる環境を見つけることを大切にしましょう。

学研WILL学園は、通信制高校のサポート校とフリースクールの機能をあわせ持つ学びの場として、不登校経験のあるお子さんや、学校生活・人間関係・学習面に不安を抱えるご家庭を支えています。

今のお子さんに合った学び方や居場所について悩まれている方は、まずは一度ご相談ください。