コラム

不登校の子供がフリースクールに通うと出席扱いになる?出席扱いになる条件についても解説

フリースクール

「中学生の子供が不登校になってしまい、フリースクールに通わせようか悩んでいる。」「調べてみると、フリースクールに通うことで出席の扱いになることもあるらしいが、詳しいことがわからない。」という方も多いと思います。この記事ではフリースクールとはなにか、というところから、出席扱いになる要件、施設の選び方まで、詳しく解説していきます。

フリースクールとは

主に不登校の小中高校生の子供を受け入れる為の教育機関です。公的な学校ではなく、個人や民間の企業、NPO法人などが運営しているので、その規模や形態、かかる費用などは様々です。日本では1980年代から少しずつ広まっていき、近年では不登校の子供の増加とともに、様々な形態の施設が全国に設置されています。

特長としては「決められたカリキュラムがないこと」、「異なる学年、年代の子供が集まっていること」、「入学資格や試験などがないこと」などが挙げられ、子供一人一人の自由や個性を重んじながら、学校の勉強以外にも様々なレクリエーションや課外授業、旅行や年間行事などが充実していて、施設のスタッフや異なる学年、年齢の子供たちと接することによって、ソーシャルスキルやコミュニケーション能力を高める場にもなっています。

不登校の子供が年々増加している今の日本では、認知度と共に施設数も増え、全国に約500弱の施設が存在しています。そのおかげで実際に通う子供たちは勿論、その家族の不安や精神的疲労の軽減の役割も担っていますが、公的な支援がまだあまり整備されていない状況で、運営の財源探しが難航する施設も多いです。

フリースクールはあくまでも公的な教育機関ではないので、義務教育課程の子供であれば、元々通っている「在籍校」に籍を置いたまま並行して通うことになります。つまり、フリースクールでの活動を在籍校の出席として反映する形になり、これは1992年に国が「不登校は誰にでも起こりうること」という認識を示したことから、出席扱いとして認められる事例が増えてきたとされています。

フリースクールで出席扱いになる要件

では出席を在籍校に反映させる為にはどのような要件があるのでしょうか。順に見ていきましょう。

文部科学省は登校しなくても出席と認められる「出席扱い制度」を定めています。この制度を利用する為には、子供が学校外の施設または家庭で学習等をしていることを保護者が申請し、在籍校の学校長の承認を得る必要があります。

この制度には明確な基準が設けられておらず、文部科学省は「学習の内容や時間を踏まえて、学校長の判断で出席扱いとする」としていて、フリースクールに関しては「一定の要件を満たせば出席扱いとする」と公表しています。挙げられている要件を順に見ていきましょう。

1、保護者と学校の間に十分な連携、協力関係が保たれていること。
2、当該施設は教育委員会等が設置する教育支援センター等の公的機関であること。ただし、公的機関の通学が困難で、保護者と本人の希望がある場合、校長に適切と判断されれば、民間の相談。指導施設も考慮される。
3、当該施設に入所、または通所して相談、指導を受ける場合を前提とする。
4、学校外の施設でおこなわれた学習内容が、在籍校の教育課程に適切と判断された場合。

これらの要件を満たし、適切な指導をおこなう施設であると在籍校の校長が判断した場合、出席扱いが認められます。

○出席扱いが認められるメリット
出席扱いが認められることにより得られるメリットとしては、書類や調査書に出席日数を記録として残すことができ、内申点として進学や就職の際に提出することができます。また子供が頑張って学習した証にもなるので、自尊心の向上や自信にも繋がると言えます。

出席扱いが認められると、施設に通う際の交通機関の通学定期も所定の申請、手続きをすれば、在籍校の場合と同じ割引率で「実習用通学定期券」を使用することができます。なお、申請に必要な手続きを在籍校の学校長がおこなうので、早めの検討、申請の申し出が必要です。

気を付けて欲しいのは、フリースクールに通うことでは学校の「卒業の資格」は得られないことです。そもそも義務教育の小中学校は「留年」というシステムは、ほぼ適用されないので、出席日数に関わらず在籍校を卒業する形になります。しかし、義務教育でない高校の場合、出席日数、テストの得点などから「単位」を取得する必要があるので、高校に通わない場合は「高卒認定試験」や、「定時性高校や通信制高校を併用」という方法で高校卒業の資格を取得する必要があります。

出席扱いを受けられるフリースクールの選び方

前述のように施設によって規模や形態、かかる費用などが様々です。もちろん一番重要なのは「子供が安心して過ごせる」ということですが、他にも大事なポイントはあると思いますので、いくつか選び方を紹介させていただきます。

1、在籍校に相談する

まず身近な相談相手として、在籍校と連携することは重要です。出席扱いを受けるためにも相互関係がしっかりしていた方がいいので、在籍校に施設を絞って紹介してもらうと、スムーズに話を進めることができます。

また、在籍校であれば、子供の特性や状態などをある程度把握しているので、子供に合った施設を紹介してくれる可能性も高いと言えます。1から探すよりは手間が省けて確実に選べる、と言えるでしょう。

2、「フリースクール全国ネットワーク」の利用

これは全国のフリースクールの架け橋的な存在として2001年2月に結成されたNPO法人の団体です。

全国規模で不登校についてのイベントや政策提言活動をおこなっていて、ホームページからメールで問い合わせができるようになっています。情報収集や施設選びのアドバイスを受けるなど、活用してみるのもいいでしょう。

3、ホームページから施設の情報をチェックする

現在設置されているフリースクールはほとんどが独自のホームページを持っています。そこには運営の方針や理念、注力している部分や各種イベント、料金形態なども載っていますので、気になる施設は細かくチェックして比較してみてください。

また体験入学や見学会など、実際に訪問して子供に合うかどうか、施設の雰囲気やスタッフの対応の仕方までしっかり見定めると失敗がないでしょう。実際に決める際も親だけで決めてしまわずに、子供の意見もしっかり聞くことが重要です。

まとめ

在籍校に通えなくても、フリースクールではしっかり勉強でき、自分の居場所を確立する子供もいます。そんな子供を応援する為に作られた「出席扱い」という制度。是非活用して子供の将来に役立ててください。スクール側もまた、一人でも多くの子供が笑顔になれるよう、サポートしていきますし、なにより多くの不登校の子供と接してきた経験からくる適切な対応は、きっと子供の新しい可能性を広げる手助けになっていくハズです。是非ご検討ください。

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