コラム

高校1年生で不登校に。高校進学後に不登校になる理由と対応について解説

高校1年生で不登校に。高校進学後に不登校になる理由と対応について解説 高校生

高校生が不登校になる理由、原因はさまざまです。最も多感な時期である思春期真っ只中なので、心情の変化が複雑に絡み合っている事が想像できます。実は高校生の不登校の理由は各学年によって特有の傾向がありますので、今回はその中でも進学直後である高校1年生の不登校の理由と親がすべき対応、そして不登校を解決する為の選択肢を解説していきます。

高校1年生で不登校になってしまう理由

文部科学省の令和2年に実施された調査によると、高校生の不登校は43,051人に上るとされていて、その中で1年生は11,722人と単位制の不登校者を除くと高校3年間で一番多い事が実情になっています。(出展:文部科学省「令和2年度児童生徒の問題行動、不登校生徒指導の諸問題に関する調査結果」)

この数字には「年間欠席が29日以下」、「発達障害等の病気が原因」は不登校の定義から外れるとされ、含まれていません。ですので、潜在的な不登校はもっと多いと言えます。

では高校1年生が不登校になる理由として、どういったものが挙げられるのか、順を追って説明していきたいと思います。

高校受験の燃え尽き症候群

まずは高校1年生になる前の段階、つまり「高校受験」から影響する理由が挙げられます。
希望の高校に入学する為に必死に1日何時間も勉強して、場合によっては塾や家庭教師、睡眠時間を削って、などと他の事が考えられなくなるくらい勉強に集中して、見事希望の高校に合格、高校生活がスタートしたものの、張っていた緊張の糸が切れてしまい、一気にやる気が出なくなってしまった。なんていう子供も少なくありません。

これは「燃え尽き症候群」と呼ばれる状態で、その名の通り、燃え尽きたように無気力になる症候群です。別名「バーンアウト症候群」とも呼ばれ、医学的にはうつ病の一種に分類されますが、発祥の原因に差があり、うつ病の場合は「根拠のない悲観的思考」が原因になってくることが多いと言えますが、燃え尽き症候群の場合は「大きな目標を達成した事で次の目標をなくしてしまった」ということが原因になってきます。

希望の高校に入学できなかった

もう一つ高校受験から影響する不登校の理由として、「希望の高校に入学できなかった」ということが挙げられます。

先ほどの「燃え尽き症候群」とは逆の状態ですが、一生懸命勉強したのに、それが報われなかったという事実は思春期の多感な時期には心に大きなダメージを与えてしまうかも知れません。中には大きな挫折が初めてだったという子供も居るかと思います。希望では無い高校に合格し、入学出来ても、気持を切り替える事が出来なかった場合、結果として不登校になってしまいます。

学校の環境に上手く馴染めない

次に挙げられる理由としては、「学校の環境に上手く馴染めない」ことです。それまでと全く違う環境に順応できないことから不登校になってしまいます。

クラスメートや先生も違えば、勉強の質も中学校と比べてレベルが上がり、心が拒否反応を出してしまう。ましてや進学校ともなれば毎日大量の課題が出され、それをこなすのに何時間もかかってしまうことも少なくなく、遅れないように塾に通ったり、睡眠時間を削ったり、土日返上で模試を受けたりしなくてはならなくなり、心に余裕が無くなってしまいます。そうすると勉強から逃げたくなってしまい、結果不登校になってしまいます。

新しい環境によって悪い影響を受けてしまった

最後に「新しい環境によって悪い影響を受けてしまった」場合が挙げられます。

高校に入学すると、それまでと大きく環境が変わります。新しい友達が出来、行動範囲が大きく広がり、中にはアルバイトを始める子供もいるでしょう。もちろんこれは良い事なのですが、出来た友達がもし素行が悪かったり、非行に走っていたらどうでしょう。夜遅くまで遊びまわって帰宅が遅くなり、朝起きれない、場合によっては昼夜逆転の生活になってしまう。学校をサボって遊びに行き、勉強についていけなくなり、学校に行きたくなくなる。友達から仲間外れにされるのが嫌で、誘いを断れないという事も出てくると思います。

この4つの不登校になる理由は、進学して新しい環境になった高校1年生特有のもので、誰もが当てはまってしまう可能性がありますので、注意が必要です。

不登校の子供にすべき親の対応

心も身体も大人に近づいていき、ちょっとしたことで一喜一憂する高校生という年代では、不登校になってしまう子供も少なくありません。そんな時に一番身近な存在である親が適切な対応を取り、一緒に向き合う事で改善する可能性も高くなります。親がすべき対応を順を追って解説していきます。

無理やり学校に行かせない

まず大事なのは「無理やり学校に行かせない」事です。
学校に行かないのが良くないことだというのは子供もわかっています。悩んで、考えて、どうしても行くことが出来ない場合もあります。そこで親が無理やり学校に行かせようとしてしまったら確実に逆効果になってしまいます。罪悪感の中にいる子供に「学校を休んでもいい」という言葉をかけてあげましょう。そうする事で子供は精神的に楽になり、親を頼ってくれるようになります。心の安定が確保出来れば解決への糸口が掴めるかも知れません。

子供と会話をする

次に挙げられるのは「子供と会話をする」事です。
子供が家にいるようになったら自然と会話が増えると思います。日常会話や他愛のない話でいいので、積極的に会話をするようにしてください。「話しやすい環境」をつくる事で信頼と安心感が得られ、先ほど触れた心の安定に繋がっていきます。そうすれば自然と不登校の相談をしてくれるようになっていきます。ですが、絶対に不登校になった理由を詮索してはいけません。それがまたストレスとなって心を閉ざしてしまうという事も起こりかねませんので、焦るのは当然ですが、じっくり待ってあげるのも重要です。

やりたい事をやらせる

次に挙げられるのは「やりたい事をやらせる」事です。
一日中家にいるのでテレビやマンガばかり見たり、閉じこもってゲームばかりしている、といった生活になってくる子供もいると思います。そんな時にそれを咎めたり取り上げたりしてしまうと、精神的なより所が無くなって状況が悪化してしまうかも知れません。まずは子供のやりたい事を尊重して好きなだけやらせてあげて、気持が落ち着いてきたら話し合ってみるようにしてあげると心の負担が少なくて済みます。

子供と接する時の態度や姿勢を一貫させる

また大事になってくるのは「子供と接する時の態度や姿勢を一貫させる」という事です。
腫れ物に触れるような感じであやふやな態度を取ってしまったり、毎回変わってしまうようだと子供も安心して接してくる事が出来なくなり、結果不登校の相談をしてくれなくなってしまうかも知れません。子供が安心して親に頼れる環境を作って行くことが大事と言えます。

こうして子供の心の安定を図りながら、出来るだけ情報を集めるようにしてください。「現在の学校の事」、「勉強が遅れないようにするには」、「現在の学校以外の選択肢」、「相談できる場所」など子供が回復してきた時に最善の対応が出来るようにしておくのも親の役目です。

不登校になってしまった時の選択肢

先ほどの項目でも挙げましたが、不登校の改善策としてどんな選択肢があるのか、出来るだけ情報を集めることが大事になってきます。ひとりひとり不登校になった原因、理由は違うので、ひとりひとりに合った選択肢を選ぶことが改善への近道と言えます。

現在通っている学校に再び通えるようにする

まずは「現在通っている学校に再び通えるようにする」です。
これには担任の先生など学校側と情報共有して施策を練る必要がありますが、クラスメートと顔を合わせなくて済む保健室などに登校する「別室登校」であれば登校する事が出来る場合もありますし、進級に必要な単位、出席日数など学校側と共有して週に数日だけでも登校するなど対応していくことも可能です。

家庭教師を依頼する

次に「家庭教師を依頼する」です。
やはり学校の勉強が遅れてしまって取り戻すのが難しくなってきてしまうと、大学受験や就職などに大きく関わってきてしまいます。最近ではオンラインで授業を受けれる家庭教師も増えて来ているので、人と直接コミュニケーションを取るのが苦手な子供の場合は有効と言えます。

他校へ転校、編入する

次に「他校へ転校、編入する」です。
現在通っている高校に不登校の原因がある場合には、その原因を取り除く事で大きく改善する可能性があります。その場合に他校へ転校、中途編入するという選択肢があります。転校先の選択肢にも今通っている高校と同じ「全日制高校」から夜間だったり短時間で通学する「定時制高校」、様々なスタイルを選べる「通信制高校」と子供と家庭に合った学校を選択することができます。特に「通信制高校」は様々なケースの不登校の子供を受け入れて来た経験がある学校が多く、改善の為のノウハウを持っていると言えます。

まとめ

高校1年生という環境が変わった直後だからこそ起きる不登校。しっかり向き合って軌道修正出来れば、残りの高校生活を楽しいものにする事も不可能ではありません。焦りは禁物ですが、その先の進学、就職にも繋がる大事な時期なので、ひとりひとりに合った改善策を見つけれる事が重要と言えます。


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