不登校は、今や日本全国で深刻な社会問題となっています。年々その数は増加傾向にあり、各地でさまざまな対策が講じられています。
この記事では地域にスポットを当てた京都府内在住の方向けの情報を紹介させていただきます。
京都府内の不登校児童は増えている?

京都府教育委員会によると令和4年度に実施した調査では、京都府内の不登校の小中学生が初めて5000人を超えたことがわかりました。
小中学校に通い、30日以上欠席した「不登校」に当たる子供の内訳は、小学生が1970人、中学生が3657人で、合計5627人にのぼります。これは前年度の令和3年度よりも1162人増加していて、11年連続増加、増加幅も統計開始依頼最も大きかったことがわかっています。
不登校の理由については、価値観の多様化によって「無理して学校に行かなくてもいい」という意識の変化、「コロナの影響で交友関係が断ち切られてしまったり、生活が乱れた」などが挙げられていますが、学校の在り方や家庭の事情など、様々な要因が考えられます。
京都府が実施する不登校児童支援体制や支援センターを紹介
京都府は、不登校の子供たちへの支援にはその背景にある要因の把握と、心に寄り添った対応が必要で、社会的な自立に向けて一人一人に合わせた学習や、体験活動を行う「居場所」の確保が重要としています。
行われている取り組みを紹介します。
学校における支援体制
校内委員会の設置
登校支援委員会を各校に設置、学校全体で取り組む体制「チーム学校」による「見逃しのない観察」や「手遅れのない対応」、「心の通った支援」をおこないます。
スクールカウンセラーの派遣
公認心理師、臨床心理士などのスクールカウンセラーを全市立小学校、中学校、小中学校、高等学校、総合支援学校に配置、児童生徒の心理相談をおこないます。
スクールソーシャルワーカーの派遣
教育分野の他に、社会福祉などにも精通するスクールソーシャルワーカーを、全市立全中学校区等に配置しています。
学生ボランティアの活用
心理、教育専攻の学生を中心とした学生ボランティアを子供たちの相談相手、学習の補助者として、学校や「ふれあいの社」に派遣し、教職員、スクールカウンセラーなどと連携して活動しています。
教職員研修
子供たちの心に寄り添った支援を行うために、様々な教職員研修をおこなっています。その他にも、生徒指導に求められる3つの機能「自己決定の場を与える、自己存在感を与える、共感的な人間関係を育成する」に基づいたチェックリストの活用や、担任するクラスの状況を把握する「クラスマネジメントシート」の活用、教職員向け冊子「心の居場所づくりハンドブック」の配布などをおこないます。
児童生徒登校支援連携会議の開催
不登校児童生徒への支援に関わる学識経験者、学校、家庭、フリースクール、児童相談所、教育委員会などの代表によっておこなわれる会議をおこない、情報交換や協議をおこないます。
また、不登校の対応や考え方などの連携の在り方について関係機関で話し合う「不登校フォーラム」を年に1回程度開催しています。
在籍校以外での学びの機会の確保
不登校相談支援センター
不登校の児童生徒に対して登校に向けた支援方法や、在籍校以外での学習を希望する場合などの相談窓口です。
ふれあいの社(教育支援センター)
在籍校の取り組みでは不登校が改善せず、長期化してしまった場合、在籍校に籍を置いたまま通うことができます。
不登校特例校
不登校経験者の為の、無理のない柔軟なカリキュラムで編成された不登校特例校「洛風中学校」と「洛友中学校」を設置しています。
在籍校以外の相談窓口の設置
京都市教育相談総合センターカウンセリングセンター
50名を超える教育、心理専門のカウンセラーなどが在籍。様々な相談に対面で応じます。
子供相談24時間ホットライン
24時間体制の電話相談窓口で、子育てなどの様々な悩みを相談できます。
SNSを活用した相談窓口
中学生、高校生を対象に、SNSを活用した相談窓口を府市共同で開設しています。
保護者向け啓発冊子の発行
小学生の保護者向け「子供のこころと親のかかわり」と中学生の保護者向け「思春期の子供のこころと親のかかわり」という啓発冊子を発行しています。
子供たちの将来に寄り添う、学研WILL学園京都キャンパスの紹介

前項では公共の支援施設や支援設備を紹介しましたが、それ以外の選択肢として学研WILL学園京都キャンパスを紹介させていただきます。
①WILL学園京都キャンパスとは
2024年4月に烏丸・四条エリアに開校した、「自立を無理なく温かく。」というコンセプトを掲げた、京都の歴史と環境を活かした、学研エル・スタッフイングが運営するフリースクール・サポート校です。少人数制なので安心して通学ができ、古都の美しさに触れながら文化や歴史を学び、さらに心の成長につながる環境が用意されています。
滋賀や奈良からもアクセスが良く、古都・京都の豊かな歴史を活かした学びが可能です。
また、学習だけでなく、生きていく為に必要な体験を詰め込んだ場所です。
②特徴
「生徒の個性を尊重した教育プログラム」
WILL学園京都キャンパスでは、生徒の個性を尊重した教育プログラムを提供しています。一人一人の能力や興味に合わせたプログラムを提供することで、個性に合った成長を促します。
「自由と自立を両立できる環境」
WILL学園京都キャンパスでは、「自由な通学スタイル」、「自由な活動から生まれる自立心」、「自由な課外活動」などを元に、生徒一人一人が自由に活動できる環境を整えるとともに将来に向けた成長を促し、自立のサポートもおこなっています。
「温かい地域との結びつき」
生徒たちが地域社会への理解を深めるとともに豊かな学びを得るために、地域との密接なつながりを大切にしています。京都キャンパスでは京都の歴史や文化に触れながら、地域の資源を積極的に活用した教育を展開しています。
③学習内容
「集団教科学習」、「個別指導」、「趣味・教養」の3つの授業形態を生徒の個性に合わせて提供し、一人一人のニーズに合った学びに繋がるようにカリキュラムが組まれています。
「京都」という立地を最大限に活かした「趣味・教養」のプログラムは、他の学校では経験できないような体験から、将来に繋がる学びを得ることができます。
もちろん勉強だけではなく、友達や先生と一緒に楽しめる、様々なイベントも用意されています。
まとめ
京都府における不登校の現状は深刻ですが、様々な支援機関や相談窓口が設置され、対策が取られています。
重要なのは、子供一人一人の個性や状況に合わせた適格な支援方法の選択ですので、子供と向き合い、最良の選択をしてください。
不登校に関する悩みは、お子さまごとに異なります。公共の支援だけでなく、「自分に合った居場所」を見つけることも大切です。
WILL学園京都キャンパスでは説明会、相談会を開催しております。是非一度ご相談ください。