「チャレンジスクール」という言葉を調べると、東京都立の高校と、ベネッセが運営するオンライン習い事の2種類が出てきます。名前は同じですが、その内容は「公立高校」と「民間の習い事」という全く異なるものです。
この記事では、不登校や高校中退からの再出発を目指すための都立チャレンジスクールと、自宅で楽しく学べるベネッセのオンライン習い事の両方について、特徴や料金、入試・利用方法を詳しく解説します。
お子様の状況に合わせて、どちらの情報が必要かを確認しながら読み進めてみてください。
チャレンジスクールとは?都立とベネッセの違い
「チャレンジスクール」には、大きく分けて2つの意味があります。まずは、それぞれのサービス内容と対象者の違いを整理しましょう。
都立高校とオンライン習い事のサービス比較
都立チャレンジスクールとベネッセのオンライン習い事の主な違いは以下の通りです。
- 都立チャレンジスクール: 東京都が設置する公立高校です。主に不登校を経験した生徒や高校を中退した生徒を対象としており、「再チャレンジ」を支援する教育課程が組まれています。学力試験がなく、作文と面接で選抜されるのが大きな特徴です。
- ベネッセのオンライン習い事(チャレンジスクール): 通信教育大手のベネッセコーポレーションが提供する、小学生・中学生向けのオンライン学習サービスです。ダンス、プログラミング、アートなどの習い事を、自宅にいながら専門の講師から教わることができます。
(参考:都立チャレンジスクール|東京都教育委員会) (参考:ベネッセチャレンジスクール)
都立チャレンジスクールの特徴と学費
都立チャレンジスクールは、従来の全日制高校とは異なる独自のシステムを採用しています。
チャレンジスクール以外にも、不登校を経験した中学生には通信制高校や定時制高校など、さまざまな進路があります。進学先を幅広く比較したい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
三部制定時制の仕組みと不登校支援
都立チャレンジスクールは、三部制定時制という仕組みを採用しています。
- ライフスタイルに合わせた時間帯: 午前・午後・夜間の3つの時間帯(部)に分かれており、自分の生活リズムに合わせて通う時間を選択できます。
- 学力試験による選抜がない: 中学校までの成績(内申点)や学力テストの結果は合否に関係しません。「これから頑張りたい」という意欲が最も重視されます。
- カウンセリング体制の充実: 不登校を経験した生徒が安心して通えるよう、スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカーが配置されており、精神面でのサポートが手厚いのが特徴です。
東京都内の設置校と所在地一覧
現在、東京都内には以下の8校のチャレンジスクールが設置されています。
- 桐ヶ丘高等学校: 北区赤羽北に位置し、最も歴史のあるチャレンジスクールです。
- 世田谷泉高等学校: 世田谷区北沢にあり、多様な選択科目が用意されています。
- 大江戸高等学校: 江東区千石に位置し、キャリア教育に力を入れています。
- 六郷工科高等学校(デュアルシステム科): 大田区東六郷にあり、企業での実習と学校での学習を組み合わせた教育を行っています。
- 八王子拓真高等学校: 八王子市台町にあり、多摩地区の生徒が多く通っています。
- 稔ヶ丘高等学校: 中野区上鷺宮にあり、一人ひとりの個性を尊重する校風です。
- 都立立川緑高等学校:立川市にあり、多摩地区で初めて誕生したチャレンジスクールです。
- 都立八王子拓真高等学校(チャレンジ枠):八王子市にあり、通常の都立高校ですがチャレンジ枠として設置されています。
チャレンジスクール都立の学費と免除制度
都立高校であるため、学費は非常に抑えられています。
- 年間の授業料: 定時制課程の授業料は年間で約32,400円程度です(全日制は約118,800円)。
- 高等学校等就学支援金制度: 世帯年収が一定未満(目安910万円未満)の場合、授業料が実質無料になる制度が利用可能です。
- その他の費用: 入学金(2,100円)や教材費、修学旅行の積立金などが別途必要になりますが、私立高校と比較すると経済的負担は極めて少ないと言えます。
高校の授業料支援については、制度の対象や公立・私立による違いも確認しておくことが大切です。高校無償化の仕組みや所得制限について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
都立チャレンジスクール入試と倍率の対策
チャレンジスクールの入試は特殊です。学力試験がない分、「自分をどう表現するか」が鍵となります。
作文と面接で受かるためのポイント
入試の配点は、主に「作文」と「面接」、そして事前に提出する「志願申告書」で構成されます。
- 作文の対策: 与えられたテーマに対し、自分の経験や考えを論理的に書く練習が必要です。過去のテーマでは「困難を乗り越えた経験」や「将来の夢」などが頻出しています。
- 面接の対策: 「なぜこの学校を選んだのか」「入学後に何をしたいか」を自分の言葉で伝えることが重要です。不登校の経験がある場合は、それを隠すのではなく、「そこからどう変わりたいか」という前向きな姿勢を見せましょう。
志願申告書の書き方と合格の秘訣
志願申告書は、面接の資料にもなる非常に重要な書類です。
- 具体性を持たせる: 「頑張ります」といった抽象的な表現ではなく、「〇〇の資格を取りたい」「ボランティア活動に参加したい」など、具体的な目標を記述してください。
- 自分の強みを再発見する: 不登校期間中に取り組んだ趣味や、自分なりに考えたことなど、どんな小さなことでも良いので「自分の個性」としてアピールしましょう。
都立チャレンジスクール倍率と不合格対策
チャレンジスクールは非常に人気が高く、倍率が1.5倍〜2.0倍を超えることも珍しくありません。
- 倍率の傾向: 特に午前の部(I部)は希望者が多く、高倍率になりやすい傾向があります。
- 不合格だった場合の選択肢: もし不合格となった場合でも、「分割募集(二次募集)」を行う他の都立定時制高校や、通信制高校への入学を検討することができます。チャレンジスクールだけが唯一の道ではないと考え、併願校も視野に入れておきましょう。
特に通信制高校は、登校頻度や学習ペースを調整しやすく、不登校経験のある生徒の進路候補の一つです。仕組みや学費、学校選びについて事前に確認しておくと、併願先を考えやすくなります。
ベネッセのオンライン習い事の内容と料金
ここからは、ベネッセが提供するオンライン習い事「チャレンジスクール」について解説します。
ダンスやプログラミングの講座内容
ベネッセのチャレンジスクールでは、子供の興味に合わせた多様なコースが用意されています。
- オンラインダンス: エイベックス・マネジメント監修のカリキュラムで、初心者から本格的なダンスを学べます。
- プログラミング(マイクラ): 子供に大人気の「マインクラフト」を教材に使い、遊びながら論理的思考力を養います。
- オンラインアート: デジタルツールや身近な素材を使い、創造力を育む美術レッスンです。
- そろばん・書道: 伝統的な習い事もオンラインで受講可能で、正しい姿勢や基礎をしっかり学べます。
例:オンラインレッスンの特徴
- 双方向のライブ授業: 録画を見るだけでなく、先生から直接アドバイスをもらえるリアルタイム形式です。
- 自宅で完結: 送迎の手間がなく、全国どこからでも受講できるため、忙しい保護者の方にも選ばれています。
自宅から参加できる学びの場は、オンライン習い事だけではありません。不登校のお子様の場合、学習支援や居場所としてオンライン型のフリースクールを利用する選択肢もあります。
ログイン方法と無料体験の申し込み手順
利用を開始するには、まず公式サイトからの申し込みが必要です。
- 無料体験の申し込み: 公式サイトの「無料体験」ボタンから、希望のコースと日時を選択して予約します。
- ログイン方法: 申し込み後に発行されるIDとパスワードを使い、専用の学習マイページへログインします。授業開始時間にマイページ内のリンクをクリックするだけで参加可能です。
チャレンジタッチと連携した月額料金
料金体系はコースによって異なりますが、ベネッセの通信教育「進研ゼミ」を受講していると割引が適用される場合があります。
- 月額料金の目安: コースによりますが、おおよそ月額4,000円〜7,000円程度です。
- 進研ゼミ会員特典: 進研ゼミ(チャレンジタッチ等)の受講者は、入会金が無料になったり、月々の受講費が割引されたりするキャンペーンが随時実施されています。
- 必要な機材: PCやタブレット(チャレンジタッチの端末でも受講可能なコースあり)と、インターネット環境があればすぐに始められます。
チャレンジスクールの評判と合格体験記
実際に利用した人や通っている人の声を紹介します。
不登校から合格した人の口コミ
都立チャレンジスクールに通う生徒や保護者からは、以下のような声が多く聞かれます。
- 「同じ境遇の友達がいて安心した」: 不登校経験者が多いため、お互いの気持ちを理解しやすく、無理なく友達ができたという意見が目立ちます。
- 「自分のペースで通えるのが良い」: 朝が苦手な生徒でも、午後の部や夜間の部を選ぶことで、毎日休まず通えるようになったという成功例が多いです。
一般高校と不登校枠の難易度比較
「チャレンジスクールは一般の高校入試より難しいのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
- 学力的な難易度: 学力試験がないため、偏差値的な難易度は測定できません。勉強が苦手な生徒にとっては、一般入試よりも「入りやすい」と言えます。
- 選抜の難易度: 一方で、倍率が高いため「誰でも受かる」わけではありません。作文や面接での自己アピールがうまくいかないと、不合格になるリスクは一般入試と同様にあります。
まとめ
「チャレンジスクール」には、都立の再チャレンジ支援高校と、ベネッセのオンライン習い事の2つの側面があります。
- 都立高校は、不登校や中退を経験した生徒が、自分のペースで高校卒業を目指すための公的な場所です。
- ベネッセのオンライン習い事は、自宅でプログラミングやダンスなどのスキルを楽しく身につけるための民間のサービスです。
どちらの「チャレンジ」も、お子様の未来を広げるための大切な一歩となります。まずは公式サイトで詳細を確認したり、学校見学会や無料体験に申し込んだりすることから始めてみてはいかがでしょうか。
学研WILL学園では、不登校経験のあるお子さんや、学校生活・人間関係・学習面に不安を抱えるご家庭に寄り添い、今の状態に合った学び方や居場所を一緒に考えています。
今のお子さんに合った学び方や居場所について悩まれている方は、まずは一度ご相談ください。