「子どもが学校に行きづらそうにしている」「全日制以外の高校の選択肢も考えたい」 「公立の通信制高校って、私立や定時制と何が違うんだろう?」
高校進学を考える中で、このような悩みや疑問をお持ちではないでしょうか。多様な学び方が選べる今、全日制高校以外にも通信制高校や定時制高校といった選択肢があります。
特に公立の通信制高校は、学費を抑えながら高卒資格を目指せるため、注目している方も多いでしょう。
通信制高校の仕組みや学習スタイルについて、まだ詳しく知らない方は、まず基本から理解しておくと学校選びがしやすくなります。
この記事では、公立の通信制高校を軸に、私立の通信制高校や定時制高校との違いを分かりやすく比較・解説します。それぞれのメリット・デメリットから学費、自分に合った学校の選び方まで、あなたの疑問にすべてお答えします。
この記事を読めば、あなたやお子さんにとって最適な高校の選択肢がきっと見つかるはずです。
公立と私立の通信制高校の違いを徹底比較

通信制高校には、都道府県などが運営する「公立」と、学校法人が運営する「私立」があります。どちらも高校卒業資格を取得できる点は同じですが、学費やサポート体制などに大きな違いがあります。
ここでは、公立と私立の通信制高校の主な違いを4つのポイントで比較します。
学費と就学支援金
最も大きな違いは学費です。公立は圧倒的に費用を抑えることができます。
- 【公立の通信制高校】
学費は年間3万円~5万円程度と非常に安価です。国の「高等学校等就学支援金」制度を利用すれば、世帯年収によっては授業料が実質無料になるケースも多く、経済的な負担を大きく軽減できます。 - 【私立の通信制高校】
学費は選択するコースやサポート内容によって大きく異なり、年間20万円~100万円以上と幅広いです。もちろん就学支援金の対象にはなりますが、公立に比べると自己負担額は高くなる傾向にあります。
通信制高校の学費は、公立・私立だけでなく、コースやサポート内容によっても大きく変わります。通信制高校の学費の相場や内訳については、こちらで詳しく解説しています。
学習サポートと進路指導体制
学習面や精神面のサポート体制は、私立の方が手厚い傾向にあります。
- 【公立の通信制高校】
基本的な学習指導はありますが、自主性が重んじられることが多いです。自分で計画を立てて学習を進める力が必要になります。進路指導も、生徒からの積極的な相談が基本となる場合が多いでしょう。 - 【私立の通信制高校】
個別指導やカウンセリング、ICT教材の提供など、生徒一人ひとりに合わせた手厚いサポートが魅力です。大学進学や専門分野への就職に向けたコースも充実しており、きめ細やかな進路指導を受けられます。
コースや専門分野の多様性
学べる内容の幅広さは、私立に大きな強みがあります。
- 【公立の通信制高校】
ほとんどが普通科のみで、基礎学力の習得を目的としています。専門的な内容を学ぶ場は少ないでしょう。 - 【私立の通信制高校】
普通科に加え、IT、プログラミング、美容、声優、マンガ、調理、福祉など、多彩な専門コースが用意されています。自分の興味や将来の夢に直結するスキルを高校在学中から学べるのが大きなメリットです。
スクーリングの頻度と場所
スクーリング(登校)の柔軟性も異なります。
- 【公立の通信制高校】
月に2~4回程度、指定された協力校へ通うのが一般的です。住んでいる地域によっては、スクーリング会場が遠い場合もあります。 - 【私立の通信制高校】
全国各地にキャンパスがあり、通いやすい場所を選べることが多いです。スクーリングの頻度も週1日~5日まで選べたり、オンラインでの参加が可能だったりと、柔軟な対応が期待できます。
通信制と定時制高校の違いとは?

次に、自宅学習が中心の「通信制」と、夜間などに通学する「定時制」の違いを見ていきましょう。どちらも働きながら学ぶ人や、様々な事情を抱える生徒が通っていますが、学習スタイルが大きく異なります。
学習スタイルと時間の自由度
時間の使い方が最も大きな違いです。
- 【通信制高校】
自宅での自学自習が基本です。レポート(課題)の作成・提出、スクーリング(登校)、テストによって単位を取得します。自分のペースで学習を進められるため、芸能活動やスポーツ、アルバイトなど、学業以外の活動と両立しやすいのが特徴です。 - 【定時制高校】
毎日決まった時間に登校して授業を受けます。主に夕方から夜間にかけて授業が行われる「夜間定時制」が一般的ですが、午前や午後の部を設けている学校もあります。学校に通うため、生活リズムは整いやすいでしょう。
通学日数と友人関係の築きやすさ
学校での人との関わり方も異なります。
- 【通信制高校】
スクーリング以外で毎日通学する必要はないため、友人関係は築きにくいと感じる人もいるかもしれません。しかし、部活動やイベントを積極的に行っている学校もあり、交流の機会は自分で作ることができます。 - 【定時制高校】
毎日クラスメイトと顔を合わせるため、友人を作りやすい環境です。学校行事なども行われるため、全日制に近い学校生活を送ることができます。
卒業要件と学習ペース
高校卒業に必要な要件は基本的に同じですが、卒業までにかかる年数が異なる場合があります。
- 【通信制高校】
「3年以上の在籍」「74単位以上の取得」「特別活動への30時間以上の参加」が主な卒業要件です。自分の頑張り次第で、最短3年での卒業が可能です。 - 【定時制高校】
卒業要件は通信制とほぼ同じですが、1日の授業数が少ないため、卒業までに4年かかるのが一般的です。ただし、他の時間帯の授業を履修する「三修制」などを利用すれば、3年で卒業できる学校もあります。
全日制・定時制・通信制の基本的な違い

ここで、高校の3つの学習制度「全日制」「定時制」「通信制」の基本的な特徴を整理しておきましょう。
全日制高校の特徴
- 【学習スタイル】
平日の朝から夕方まで、毎日学校に通って授業を受けます。 - 【特徴】
最も一般的な高校の形態です。クラス単位での活動が多く、友人関係を築きやすい環境です。部活動や学校行事も盛んに行われます。
定時制高校の特徴
- 【学習スタイル】
夜間や昼間など、1日の中で決められた時間帯に登校して授業を受けます。 - 【特徴】
働きながら高卒資格を目指す人など、様々な年齢や背景を持つ生徒が在籍しています。卒業には4年かかるのが一般的です。
通信制高校の特徴
- 【学習スタイル】
自宅でのレポート学習が中心で、決められた日数のスクーリング(登校)に参加します。 - 【特徴】
自分のペースで学習を進められるため、時間に縛られずに学びたい人に適しています。近年はサポート体制が充実した私立校が増えています。
3つの制度の違い比較一覧表
| 比較項目 | 全日制 | 定時制 | 通信制 |
|---|---|---|---|
| 通学頻度 | 毎日(週5日) | 毎日(週5日程度) | 月数回~週5日(選択可) |
| 学習スタイル | 対面授業 | 対面授業 | 自宅学習+スクーリング |
| 時間の自由度 | 低い | 中程度 | 高い |
| 卒業までの年数 | 3年 | 4年(3年も可) | 3年以上 |
| 学費(公立) | 年間約12万円 | 年間約3万円 | 年間約3~5万円 |
| 向いている人 | 規則正しい学校生活を送りたい人 | 働きながら学びたい人、生活リズムを整えたい人 | 自分のペースで学びたい人、学業以外に時間を使いたい人 |
公立通信・私立通信・定時制のメリット・デメリット

ここまで見てきた違いを踏まえ、それぞれの選択肢のメリットとデメリットをまとめました。どれが自分に合っているか考える参考にしてください。
公立通信制高校のメリット・デメリット
- 【メリット】
- 【デメリット】
私立通信制高校のメリット・デメリット
- 【メリット】
- 【デメリット】
定時制高校のメリット・デメリット
- 【メリット】
- 【デメリット】
公立通信制高校の学費は年間いくら?

公立通信制高校の最大の魅力は、その学費の安さです。具体的にどれくらいの費用がかかるのか見ていきましょう。
入学金と授業料の目安
公立通信制高校の費用は、都道府県によって多少異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。
卒業に必要な74単位を取得する場合、授業料の総額は22,200円~51,800円程度となります。年間25単位を取得すると仮定すれば、年間の授業料は7,500円~17,500円ほどです。
教科書代や施設費などの諸経費
授業料の他に、以下のような諸経費が必要になります。
- ・教科書代、教材費
- ・施設設備費
- ・生徒会費、同窓会費
これらの諸経費を合わせると、年間で2万円~4万円程度が目安となります。すべて合計しても、公立通信制高校の年間費用は3万円~5万円程度に収まることが多く、経済的な負担が非常に軽いことがわかります。
就学支援金制度の活用
「高等学校等就学支援金制度」は、高校に通う生徒の授業料を国が支援する制度で、通信制高校も対象です。
この制度を利用することで、世帯年収が約910万円未満の家庭では、授業料が実質無料になります。公立通信制高校の場合、ほとんどの家庭で授業料の負担がなくなるため、学費の心配をせずに学ぶことができます。
自分に合う高校の選び方4ステップ

ここまで様々な違いを見てきましたが、「結局、自分にはどれが合っているの?」と迷ってしまうかもしれません。ここでは、後悔しない高校選びのための4つのステップをご紹介します。
ステップ1:学習目的を明確にする
「なぜ高校に通うのか?」「高校卒業後に何をしたいのか?」を考えてみましょう。
目的がはっきりすると、選択肢が絞られてきます。
ステップ2:サポート体制を比較する
自分にはどんなサポートが必要かを考えることが重要です。
特に学習に不安がある場合や、メンタル面のケアを重視したい場合は、サポート体制の手厚い私立通信制高校が安心です。
サポート校では、レポート学習のサポートや進路相談など、通信制高校の学習を支える仕組みが用意されています。サポート校について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
ステップ3:スクーリングの負担を確認する
通信制高校を選ぶ場合、スクーリングの場所や頻度は必ず確認しましょう。
- ・自宅から通える範囲にスクーリング会場があるか?
- ・年間の登校日数はどれくらいか?
- ・自分の体力や生活スタイルで無理なく通えるか?
無理なく通い続けられる学校を選ぶことが、卒業への近道です。
ステップ4:資料請求や学校見学をする
気になる学校が見つかったら、必ず資料請求をしたり、学校説明会や個別相談会に参加したりしましょう。
パンフレットだけでは分からない学校の雰囲気や、先生・生徒の様子を直接見ることで、入学後のミスマッチを防ぐことができます。複数の学校を比較検討することが、納得のいく学校選びに繋がります。
公立通信制高校に関するよくある質問

最後に、公立通信制高校についてよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 大学進学は目指せますか?
A. はい、目指せます。
公立通信制高校から大学に進学する生徒もたくさんいます。ただし、大学受験に向けた指導は手厚くない場合が多いため、自分で塾や予備校を利用して対策する必要があります。大学進学を強く希望する場合は、進学コースが充実している私立通信制高校も視野に入れると良いでしょう。
Q. 途中からの転入・編入は可能ですか?
A. はい、可能です。
多くの公立通信制高校では、年度の途中でも転入(他の高校からの転校)や編入(高校を中退した人が再入学)を受け入れています。前の高校で取得した単位を引き継ぐことができるため、スムーズに学習を再開できます。募集時期は都道府県によって異なるため、各学校の公式サイトなどで確認してください。
転入の手続きや時期、必要書類については学校によって違うため、事前に確認しておくことが大切です。通信制高校への転入手続きについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
Q. 不登校の経験があっても大丈夫ですか?
A. 全く問題ありません。
通信制高校には、様々な理由で全日制高校に通うのが難しかった生徒が多く在籍しています。不登校の経験を持つ生徒への理解があり、カウンセラーが常駐している学校も多いです。自分のペースで学べる環境は、学校生活に再び慣れていく上で大きな助けとなるでしょう。
不登校の子どもが通える学校の種類や選び方については、こちらの記事でも解説しています。
まとめ
今回は、公立の通信制高校と私立・定時制高校の違いについて、学費やサポート、学習スタイルなどの観点から詳しく解説しました。
この記事のポイントをまとめます。
高校の選択肢は一つではありません。あなたやお子さんが、自分らしく輝ける場所がきっと見つかります。この記事が、そのための第一歩となれば幸いです。まずは気になる学校の資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。
通信制高校を検討する際には、サポート体制や学習環境も重要なポイントになります。
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