「最近、子どもの様子がおかしい…」 「学校に行きたがらないのは、もしかしてSNSが原因?」
大切なお子さんがSNSをきっかけに学校へ行けなくなってしまったら、親としてこれほど辛いことはありません。何が起きているのか分からず、誰に相談すれば良いのか、どう行動すれば子どもを守れるのか、不安と焦りでいっぱいになってしまうのは当然のことです。
この記事では、SNSトラブルで不登校に悩む中学生のお子さんを持つ保護者のあなたへ、問題解決のために親ができる具体的な行動を分かりやすく解説します。
SNSいじめの事例から、原因、家庭での初期対応、学校や専門機関との連携方法まで、この記事を読めば、お子さんを救うための道筋が見えてくるはずです。一人で抱え込まず、まずは現状を正しく理解することから始めましょう。
中学生に多いSNSいじめ・トラブル事例

まず、中学生の間で実際にどのようなSNSトラブルが起きているのかを知ることが大切です。手口を知ることで、お子さんが置かれている状況を客観的に把握しやすくなります。
インスタグラムでのなりすまし事件
本人の知らないところで勝手にアカウントが作られ、不適切な投稿をされるのが「なりすまし」です。
特にInstagram(インスタ)では、顔写真や個人情報を悪用されやすく、深刻ななりすまし事件に発展するケースが後を絶ちません。
こうしたインスタでのなりすましは、お子さんの評判を著しく傷つけ、人間不信に陥らせる悪質ないじめです。
LINEグループでの陰口・仲間外れ
特定の生徒だけを招待しない「グループ外し」や、見えない場所での悪口が横行しています。
クラスや部活のLINEグループは、中学生にとって重要なコミュニケーションの場です。しかし、その閉鎖的な空間がSNSいじめの温床になることがあります。
例えば、ある生徒を除いたグループをわざわざ作り、そこで集中的に悪口を言ったり、わざと会話の内容を見せつけたりします。仲間外れにされたお子さんは、自分がいない場所で何を言われているのかという不安と孤独感に苛まれます。
個人情報や画像の無断拡散
本人が嫌がる写真や、住所・電話番号などの個人情報が本人の許可なくネット上にばらまかれる被害です。
「面白いから」という軽い気持ちで行われることもありますが、一度ネット上に拡散された情報を完全に削除するのは非常に困難です。
これらの情報が知らない人にも見られる状態になり、さらなるいじめや犯罪に巻き込まれる危険性もはらんでいます。
誹謗中傷や脅迫メッセージ
「死ね」「キモい」といった暴言や、「学校に来たらただじゃおかない」といった脅迫的なメッセージがダイレクトメッセージ(DM)で執拗に送られてきます。
匿名で送られてくることが多く、相手が誰か分からない恐怖も加わります。このようなメッセージは、お子さんの心を深く傷つけ、精神的に追い詰めていきます。
このような悪質なトラブルは、深刻な不登校を引き起こす大きな原因となります。もしお子さんが被害に遭ってしまったら、親としてどう動くべきか、具体的な解決策と専門の相談先を以下の記事で詳しく解説しています。
SNSトラブルが不登校につながる原因

なぜ、SNS上のトラブルはこれほど深刻化し、不登校にまで発展してしまうのでしょうか。その背景には、ネット空間ならではの3つの原因があります。
匿名性が生む攻撃的な心理
SNSでは匿名で発言できるため、普段は言えないような攻撃的な言葉を使いやすくなります。
相手の顔が見えないことで罪悪感が薄れ、現実世界ではしないようなひどい言葉を投げつけてしまうのです。加害者側は「ちょっとした冗談」のつもりでも、言われた側は深刻なダメージを受けます。これがSNSトラブルの大きな原因の一つです。
閉鎖的なグループ内の同調圧力
「自分がいじめの標的になりたくない」という心理から、いじめに加担してしまうケースです。
LINEグループなどの閉鎖的な空間では、「みんながやっているから」という同調圧力が強く働きます。本当は「やりすぎだ」と思っていても、仲間外れにされることを恐れて、一緒になって悪口を言ったり、無視したりしてしまうのです。
24時間続く精神的な苦痛
学校が終わっても、自宅のベッドの中にまでいじめが追いかけてくるのがSNSいじめの最も辛い点です。
従来のいじめは学校内に限定されていましたが、SNSでは24時間365日、通知が来るたびに悪口や嫌がらせを目にしてしまいます。逃げ場がなく、心が休まる時がありません。この絶え間ない精神的苦痛が、お子さんの気力を奪い、学校へ向かう足を止めさせてしまうのです。
発覚時に親がすべき初期対応と証拠保存

お子さんからSNSトラブルを打ち明けられたり、様子がおかしいことに気づいたりした時、親としてどう動けば良いのでしょうか。パニックにならず、冷静に行動することが重要です。
子どもの話を冷静に聞き安全を確保
最も大切なのは、お子さんの話を否定せず、冷静に受け止めることです。
「あなたにも原因があったんじゃないの?」と責めるような言葉は絶対に避けてください。「話してくれてありがとう。辛かったね」と、まずはお子さんの気持ちに寄り添い、「親はあなたの絶対的な味方である」というメッセージを伝えましょう。
そして、お子さんの心の安全を最優先に考え、無理に学校へ行かせることはせず、まずはゆっくり休ませてあげてください。
いじめの証拠となる画面の保存方法
SNSいじめを解決するためには、客観的な証拠が何よりも重要です。
投稿やメッセージは簡単に削除されてしまう可能性があるため、気づいた時点ですぐに保存しましょう。
【ポイント】 スクリーンショットを撮る際は、投稿された日時や相手のアカウント名が一緒に写るように撮影することが非常に重要です。
子どものいじめ問題への対処法について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。学校への相談の切り出し方から、加害者側とトラブルにならずに解決へ導くための親の対応を網羅してご紹介しています。
いつ誰が何をしたか時系列で記録
保存した証拠をもとに、トラブルの経緯を時系列で整理しておきましょう。
「いつ、誰から、どのような内容の嫌がらせを受けたか」をメモ帳やパソコンのファイルにまとめておくと、後で学校や警察に相談する際に、状況を正確に伝えることができます。
(記録の例)
- X月X日 15:30頃
インスタグラムにて、〇〇(アカウント名)から「死ね」というDMが届く。(スクリーンショットあり) - X月Y日 20:00頃
LINEのクラスグループから強制退会させられる。
学校への伝え方と効果的な連携方法

家庭での初期対応と並行して、学校との連携も不可欠です。感情的にならず、事実に基づいて冷静に相談を進めましょう。
担任やスクールカウンセラーへの相談
まずは、学級担任の先生にアポイントを取り、直接会って話す機会を設けてもらいましょう。
電話や連絡帳だけで済ませず、保護者が学校へ出向き、用意した証拠や時系列の記録を見せながら具体的に説明することが大切です。担任の先生に話しにくい場合は、学年主任や生徒指導の先生、スクールカウンセラーに相談するのも一つの方法です。
学校に求めるべき具体的な対応依頼
ただ「いじめられています」と伝えるだけでなく、学校に何をしてほしいのかを具体的に要求することが重要です。
これらの要望を書面で提出すると、学校側も正式な依頼として対応せざるを得なくなり、後の「言った・言わない」のトラブルを防ぐことができます。
いじめ防止対策推進法に基づく申立て
学校の対応が不十分だと感じた場合は、「いじめ防止対策推進法」という法律を根拠に対応を求めることができます。
この法律では、いじめを「児童生徒に対して、一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義しています。SNSいじめもこれに該当します。
学校へのアプローチと並行して、なぜいじめが起きてしまうのかという「原因」についても正しく知っておくべきです。以下の記事では、中高生のいじめに潜む心理や構造、これ以上被害を深刻化させないために家庭でできる具体的な対策を詳しく解説しています。
状況に応じた公的機関・専門家相談先

学校だけに任せるのではなく、外部の専門機関に相談することも、解決への大きな力となります。状況に応じて、適切な窓口を頼りましょう。
警察のサイバー犯罪相談窓口
脅迫や名誉毀損、なりすましによる実害など、犯罪の可能性がある場合は、迷わず警察に相談してください。
各都道府県警には「サイバー犯罪相談窓口」が設置されています。証拠を持って最寄りの警察署に相談に行くか、電話で相談することができます。緊急性がない場合でも、今後の対応についてアドバイスをもらえます。
法テラス・弁護士への法律相談
投稿の削除請求や、加害者への損害賠償請求など、法的な対応を検討する場合は弁護士に相談しましょう。
「弁護士に相談するのはハードルが高い…」と感じるかもしれませんが、「法テラス(日本司法支援センター)」では、経済的な余裕がない方でも無料の法律相談を受けられる制度があります。ネットトラブルに強い弁護士を探し、今後の法的措置について相談することで、解決の選択肢が広がります。
24時間子供SOSダイヤル
お子さん自身が誰かに話を聞いてほしい時や、保護者が夜間や休日に緊急で相談したい時に利用できます。
文部科学省が設置している全国共通の相談窓口で、24時間いつでも電話をかけることができます。お子さんの心のケアや、今後の対応について専門の相談員がアドバイスをくれます。
- 電話番号 0120-0-78310(なやみいおう)
NPO法人などの民間支援団体
いじめやネットトラブルの問題に特化した民間の支援団体も、心強い味方です。
これらの団体は、カウンセリングによる心のケアから、学校や行政への働きかけ、法的手続きのサポートまで、幅広い支援を行っています。同じような悩みを抱える他の保護者と繋がる機会を提供している団体もあります。
「NPO法人 いじめ 相談」などで検索すると、お住まいの地域で活動している団体を見つけることができます。
SNSトラブルなどがきっかけで、中学生の子供が不登校になってしまったら、一人で悩まず不登校支援団体・施設に相談してみましょう。以下の記事では、お子さんに合った安心できる相談先やフリースクールなどの選び方を詳しく解説しています。
まとめ
中学生のお子さんがSNSトラブルを原因に不登校になってしまった時、親がすべきことは以下の通りです。
SNSいじめは、お子さんの心に深い傷を残す深刻な問題です。しかし、あなたは決して一人ではありません。
この記事で紹介した対処法や相談先は、あなたとお子さんを支えるためのものです。どうか一人で抱え込まず、勇気を出して専門家の力を借りてください。お子さんが再び笑顔を取り戻し、安心して過ごせる日が来ることを心から願っています。
学研WILL学園では、不登校経験のあるお子さんや、学校生活・人間関係・学習面に不安を抱えるご家庭に寄り添い、今の状態に合った学び方や居場所を一緒に考えています。
今のお子さんに合った学び方や居場所について悩まれている方は、まずは一度ご相談ください。
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