「このままだと留年するかもしれない…」 「欠席日数が多いけど、進級できるんだろうか?」 「赤点をたくさん取ってしまった…もうダメかもしれない…」
今、この記事を読んでいるあなたは、高校の進級や卒業について、大きな不安を抱えているのではないでしょうか。先生から留年の可能性を伝えられたり、自分自身の状況を振り返って焦りを感じたりしているかもしれません。
でも、安心してください。一人で悩む必要はありません。
まずは留年(原級留置)に関する正しい知識を得て、今から何ができるのかを冷静に考えることが大切です。
この記事では、高校の留年(原級留置)について、以下の内容を分かりやすく解説します。
この記事を読めば、あなたの不安が和らぎ、次にとるべき行動が明確になるはずです。一緒に解決策を探していきましょう。
原級留置(高校留年)の基礎知識

まずは「留年」という言葉の正確な意味や、実際にどれくらいの高校生が留年しているのか、基本的な知識から確認していきましょう。
原級留置(留年)とは
原級留置(げんきゅうりゅうち)とは、一般的に「留年」と呼ばれるもので、進級・卒業の条件を満たせなかったために、同じ学年をもう一度やり直すことを指します。
これは決して罰として行われるものではありません。高校の学習内容を十分に理解し、次の学年や社会で必要となる学力を確実に身につけるための制度です。つまり、生徒の将来を考えた上での教育的な措置なのです。
高校で留年する人の割合・確率
「自分だけが留年するんじゃないか…」と不安に思うかもしれませんが、実際のところ、高校で留年する生徒はどのくらいいるのでしょうか。
文部科学省の調査によると、最新年度の全日制・定時制課程の高校において、原級留置(留年)となった生徒は約1万2000人でした。これは、在籍生徒総数(300万人)の約0.4%にあたります。
この数字を見ると、「1,000人に4人程度」となり、決して多くはないことが分かります。しかし、ゼロではないことも事実です。留年は誰にでも起こりうる可能性があり、他人事と考えずにきちんと向き合うことが重要です。
参考:(https://www.mext.go.jp/index.htm )
高校で留年が決まる2大条件

高校で留年するかどうかは、主に「出席日数」と「成績」という2つの条件によって総合的に判断されます。それぞれの基準について、詳しく見ていきましょう。
条件1:出席日数の基準
多くの高校で、留年の最も大きな原因となるのが出席日数不足です。
年間総授業日数の3分の1以上の欠席
多くの高校では、年間総授業日数の3分の1以上を欠席すると、その科目の単位が認定されず、留年につながります。これは学校教育法施行規則で定められた基準に準拠するもので、ほとんどの高校の校則(学則)や生徒手帳に明記されています。
例えば、年間の総授業日数が200日の場合、その3分の1にあたる約67日以上欠席すると、留年の対象となる可能性が非常に高くなります。
ただし、これはあくまで目安です。科目ごとに出席時数が計算されるため、特定の曜日に休みが集中すると、その曜日の科目だけ単位を落としてしまうケースもあります。
遅刻・早退の扱いや公欠のルール
「欠席はしていないから大丈夫」と思っていても、遅刻や早退が多い場合は注意が必要です。
学校によっては「遅刻・早退3回で欠席1回」のように換算するルールが定められています。このルールを知らずに遅刻を繰り返していると、気づかないうちに出席日数が危険なラインに達してしまうことがあります。
一方で、以下のようなやむを得ない理由での欠席は「公欠(こうけつ)」として扱われ、欠席日数に含まれない場合があります。
ただし、公欠として認めてもらうには、医師の診断書や学校所定の届出用紙の提出が必須です。自分の学校のルールを生徒手帳や学年便覧で必ず確認しておきましょう。
条件2:成績不振・単位不足の基準
出席日数が足りていても、成績が基準に満たない場合は留年の対象となります。
赤点・評定「1」と単位修得
定期テストで基準以下の点数を取ってしまう「赤点」は、成績不振のサインです。しかし、赤点を取ったからといって、すぐに留年が確定するわけではありません。
通常、赤点を取った生徒に対しては、追試験や補習、課題提出といった救済措置が用意されています。これらの機会を活かして合格基準を満たせば、単位を修得できることがほとんどです。
最も注意すべきなのは、1年間の成績を総合的に評価した結果である「学年評定」です。ここで「評定1」がついてしまうと、その科目の単位は修得できなかったことになります。1科目でも評定1がつくと、進級できずに留年となる高校がほとんどです。
卒業までに必要な単位数が不足
高校を卒業するためには、3年間で合計74単位以上を修得する必要があります。
各高校では、学年ごとに修得すべき単位数が定められています。もし、ある学年で評定1がついたり、出席日数不足で単位を落としたりして、その学年で必要な単位数を満たせなかった場合、次の学年に進級することができません。
つまり、たった1科目の単位不足が、結果的に進級・卒業に必要な合計単位数の不足につながり、留年という判断に至るのです。
留年はいつ・どうやって決まるのか

「留年するかどうか、いつわかるんだろう…」という不安は大きいですよね。しかし、ある日突然、留年を宣告されることはほとんどありません。留年が決定するまでには、いくつかの段階があります。
留年決定までの年間スケジュール
多くの高校では、以下のようなスケジュールで進級・留年の判断が行われます。
- 各学期末(7月、12月頃)
成績不振や欠席日数が多い生徒とその保護者に対して、担任から状況説明や警告が行われます。三者面談が設定されることもあります。 - 学年末テスト後(2月下旬~3月上旬)
1年間の仮成績が算出され、単位取得が危うい生徒に対して追試や補習、課題提出が課されます。これが最後のチャンスとなります。 - 成績会議(3月中旬)
全教員が集まり、追試などの結果も踏まえて、生徒一人ひとりの進級・卒業・留年を審議する「職員会議(成績会議)」が開かれます。 - 最終決定の連絡(3月中旬~下旬)
成績会議での決定に基づき、対象となる生徒と保護者に学校から最終的な連絡が入ります。
学期末の警告から最終決定までの流れ
留年の最初のサインは、学期末の成績表の所見欄や、担任の先生からの個別での呼び出しです。この時点で「このままでは進級が危うい」という警告がなされます。
この警告を軽く受け止めず、真摯に対応することが非常に重要です。多くの場合、保護者を交えた三者面談が開かれ、現状の共有と今後の対策について話し合われます。
学年末には、最後の救済措置として追試や補習が行われます。ここでの頑張りが進級できるかどうかの分かれ道になることも少なくありません。
そして最終的には、個人の感情ではなく、学校全体の公式な判断として「職員会議(成績会議)」で留年が決定されます。この会議での決定が覆ることは、原則としてありません。
公立高校と私立高校の基準の違い
留年の基準や対応は、公立高校と私立高校で若干の違いがあります。
どちらの高校に通っていても、最も確実な情報は自分の学校の生徒手帳や学則に記載されています。不安な場合は、必ず確認するようにしましょう。
留年を回避するための救済措置と対策

「留年しそう…」と気づいた今からでも、できることはあります。諦めずに、以下の対策に取り組みましょう。
追試・補習・課題提出による単位認定
成績不振の場合、多くの高校で以下のような救済措置が用意されています。
これらの救済措置に関する案内は、掲示板や配布プリントで知らされます。絶対に見逃さないように注意してください。
まず誰に相談すべきか(担任・保護者)
留年の不安を一人で抱え込むのが一番よくありません。状況を改善するためには、周りの大人に助けを求める勇気が必要です。
その他、教科担当の先生や学年主任、スクールカウンセラーなどもあなたの力になってくれます。早めに相談することで、取れる選択肢も広がります。
不登校からの進級・卒業を目指す方法
不登校が原因で欠席日数が増えている場合、まずは学校に行けない理由と向き合うことが大切ですが、同時に進級に向けた対策も考えましょう。
学校によっては、保健室登校や相談室登校、別室での自習などを「出席」として認めてくれる場合があります。まずは学校に相談し、自分に合った登校スタイルがないか確認してみましょう。
学習の遅れが心配な場合は、オンライン教材や家庭教師、フリースクールなどを活用するのも一つの手です。状況によっては、次の章で紹介する通信制高校への転校が、心機一転して高卒資格を目指すための有効な選択肢になることもあります。
欠席日数が増えてしまった背景に不登校がある場合は、留年だけでなく今後の学校生活や進路まで含めて考えることが大切です。不登校から高校卒業を目指すための選択肢については、こちらの記事で詳しく解説しています。
留年が確定した後の3つの選択肢

万が一、留年が確定してしまったとしても、人生が終わるわけではありません。あなたの未来には、いくつかの道が拓かれています。ここでは主な3つの選択肢を紹介します。
同じ高校で1年間やり直す
最も一般的な選択肢が、在籍している高校でもう一度同じ学年をやり直すことです。
気持ちを切り替えて「学び直しのチャンス」と前向きに捉えることができれば、この1年間は将来にとって非常に価値のある時間になります。
通信制高校や定時制高校へ転校する
環境を変えて再スタートを切りたい場合は、通信制高校や定時制高校への転校(転入・編入)も有力な選択肢です。
不登校が原因だったり、今の学校の人間関係に悩んでいたりする場合には、環境を変えることが良いきっかけになる可能性が高いです。
通信制高校への転校を検討している場合は、転入できる時期や単位の引き継ぎなど事前に知っておきたいポイントがあります。転校の流れや注意点について詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
高校中退し高卒認定試験を目指す
学校という組織に縛られずに高卒資格を得たいと考えるなら、高校を中退して「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)」を目指す道もあります。
高卒認定試験とは、高校を卒業していなくても、卒業者と同等以上の学力があることを国が認定する試験です。
これは大きな決断を伴う選択肢であり、将来のキャリアプランも踏まえて慎重に検討する必要があります。
高卒認定は高校卒業とは異なる制度で、それぞれメリット・デメリットがあります。自分に合う進路を選ぶために、違いを理解しておきましょう。
また、「留年するくらいなら高校を辞めようかな」と考える人も少なくありません。しかし、中退には知っておくべきデメリットや、その後の進路があります。後悔しない判断をするためにも、一度確認してみてください。
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高校の留年に関するよくある質問

最後に、高校の留年に関してよく寄せられる質問にお答えします。
「留年しそう」と警告されたらまず何をすべき?
A. まずは冷静に自分の状況を正確に把握することが第一です。
具体的には、以下の2点を確認しましょう。
- 最新の欠席日数と遅刻・早退の回数
- これまでの定期テストの点数と、赤点を取った科目の数
その上で、すぐに担任の先生に相談してください。「どうすれば進級できますか?」と正直に聞きましょう。具体的な課題(追試の勉強、提出物など)が見えてくるはずです。
留年した場合の学費はどうなる?
A. 原則として、もう1年分の学費が追加で必要になります。
公立高校であれば年間十数万円程度ですが、私立高校の場合は授業料だけで年間数十万円、施設費などを含めると100万円近くになることもあります。
国の「高等学校等就学支援金」などの制度が翌年も利用できるかどうかも含め、必ず保護者の方と学校の事務室に確認が必要です。
留年できる回数に上限はある?
A. 法律上の明確な上限はありませんが、多くの高校では校則で在学年数の上限を定めています。
例えば「在学できる年数は6年間を上限とする」といった規定がある場合、同じ学年で留年できるのは実質的に1〜2回が限度となります。何度も同じ学年を繰り返すことは、教育的観点からも推奨されず、現実的には難しいと考えた方がよいでしょう。
まとめ
今回は、高校の留年(原級留置)の条件や回避策、そして留年後の選択肢について解説しました。最後に、この記事の重要なポイントを振り返ります。
今、あなたはとても不安で、将来が真っ暗に感じられるかもしれません。しかし、大切なのは、現状から目をそらさずに、次の一歩を踏み出すことです。
この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、前向きな行動を起こすきっかけになれば幸いです。あなたの未来は、これからいくらでも切り拓いていくことができます。
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