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高校生の不登校|親の対応と進路選択の完全ガイド

不登校

「うちの子が高校に行かなくなった…どうしよう」 「このまま不登校が続いたら、将来はどうなるんだろう…」

大切なお子さんが高校に通えなくなり、出口の見えないトンネルの中にいるような不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。親としてどう接すればいいのか、どんな進路があるのか、誰に相談すればいいのか分からず、途方に暮れてしまうのは当然のことです。

しかし、高校生の不登校は決して特別なことではありません。 そして、それはお子さんの人生の終わりを意味するものでもありません。

この記事では、不登校のお子さんを持つ保護者の方に向けて、以下の内容を具体的かつ分かりやすく解説します。

  • 親としてまずやるべきことと適切な接し方
  • 高校生が不登校になる主な原因
  • 不登校でも通える学校の種類と後悔しない選び方
  • 不登校経験後の多様な進路と将来の可能性
  • 無料で相談できる公的機関や窓口

この記事を読めば、お子さんの不登校という課題に対して冷静に向き合い、次の一歩を踏み出すための具体的な道筋が見えてくるはずです。一人で抱え込まず、まずはお子さんの心と体を休ませることから一緒に始めていきましょう。

高校生の不登校で親がまずやるべき対応

お子さんが不登校になったとき、親として最も大切なのは、焦らず冷静に対応することです。将来への不安から、つい感情的になってしまいがちですが、まずは以下の4つの対応を心がけてください。

無理に登校させず心と体を休ませる

お子さんが学校に行けないのは、「甘え」や「怠け」ではありません。心と体がエネルギー切れを起こしているサインです。

この状態で無理に登校させようとすると、かえってお子さんを追い詰め、状況を悪化させてしまう可能性があります。まずは「学校は休んでもいい」と伝え、心と体をゆっくり休ませることが最優先です。安全な家という場所でエネルギーを十分に充電する時間を与えてあげましょう。

子どもの話を傾聴し気持ちに寄り添う

お子さんの心が少し落ち着いてきたら、話を聞く姿勢を大切にしましょう。このとき、原因を問い詰めたり、解決策を押し付けたりするのは禁物です。

大切なのは、批判や説教はせず、お子さんの気持ちにただ寄り添い、安全な避難場所になることです。「そうなんだね」「つらかったね」と相槌を打ちながら、お子さんの言葉を最後まで遮らずに聞きましょう。親が自分の味方でいてくれるという安心感が、お子さんが次の一歩を踏み出すための土台となります。

親が言ってはいけないNGワードと適切な声かけ

良かれと思ってかけた言葉が、逆にお子さんを傷つけてしまうことがあります。子どもを追い詰める言葉を避け、安心感を与える言葉を選ぶことが非常に重要です。

  • 言ってはいけないNGワードの例

    • 「なんで学校に行けないの?」
    • 「みんなはちゃんと行ってるのに」
    • 「このままだと将来どうするの?」
    • 「いつまで休むつもり?」
    • 「甘えているだけじゃないの?」

  • 安心感を与える声かけの例

    • 「学校に行くのはつらいんだね」
    • 「ゆっくり休んでいいんだよ」
    • 「何か手伝えることはある?」
    • 「あなたの味方だからね」
    • 「ご飯だけでも一緒に食べようか」

お子さんの存在そのものを肯定するメッセージを伝え続けることが、自己肯定感を回復させる上で助けになります。

学校や担任の先生との情報共有

お子さんの状況を整理するためにも、学校との連携は欠かせません。保護者だけで抱え込まず、学校と連携し、子どもの状況を正確に伝えることが大切です。

担任の先生に連絡を取り、まずは家庭での様子を伝えましょう。その上で、以下の点について確認・相談するとよいでしょう。

  • 欠席の扱いについて
  • 学習の遅れに対するサポート(プリントやオンライン課題など)
  • スクールカウンセラーとの面談の可否
  • 学校で何かトラブルがなかったか

学校側も不登校の生徒への対応には慣れている場合が多いです。協力して解決策を探るパートナーとして、冷静に情報共有を行いましょう。

高校生が不登校になる主な原因

高校生が不登校になる原因は一つとは限らず、複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。お子さんを理解するために、考えられる主な原因を知っておきましょう。

学校での人間関係の悩み

高校生活において、友人関係は非常に大きなウェイトを占めます。友人関係のトラブルやいじめが、学校へ行く気力を奪う大きなストレスになることがあります。

  • クラスや部活のグループに馴染めない
  • 親しい友人との間に亀裂が入った
  • LINEやSNSなど、ネット上でのいじめや仲間外れ
  • 先生や先輩との関係がうまくいかない

思春期の多感な時期だからこそ、些細なことが大きな悩みに発展しやすいのです。

学業不振や学習意欲の低下

高校の授業は中学に比べて格段に難しくなり、スピードも速くなります。一度つまずくと、追いつくのが困難になりがちです。

授業についていけない焦りや、勉強する意味を見失うことが不登校の引き金になるケースも少なくありません。特に、進学校などで周囲のレベルが高い場合、劣等感から学習意欲を失ってしまうこともあります。

心身の不調や生活リズムの乱れ

朝起きられない、頭痛や腹痛が続くといった身体的な症状が原因で登校できなくなることがあります。特に思春期に多い起立性調節障害とは、自律神経の乱れにより、立ち上がった際にめまいや動悸、倦怠感などが起こる病気で、午前中に症状が強く出やすいのが特徴です。

また、不登校が続くと昼夜逆転など生活リズムが乱れがちになり、心身の不調が登校のさらなる妨げになるという悪循環に陥ることもあります。

(参考:一般社団法人 日本小児心身医学会「起立性調節障害(OD)」

進路や将来に対する漠然とした不安

「何のために勉強するんだろう」「大学に行って何をしたいのか分からない」といった、「何のために高校に行くのか」という問いに答えが見つからず、無気力になってしまうケースです。

周りの友人が明確な目標を持っているように見えると、焦りや劣等感を感じ、将来に対する漠然とした不安から学校へ向かうエネルギーが湧かなくなってしまうことがあります。

不登校の高校生が通える学校の種類と特徴

「今の高校に通い続けるのは難しいかもしれない…」そう感じたとしても、道が閉ざされたわけではありません。お子さんに合った環境は、他にもたくさんあります。ここでは、不登校の高校生が選択できる主な学校の種類を紹介します。

通信制高校|自分のペースで高卒資格を目指す

通信制高校とは、毎日通学する必要がなく、主に自宅でのレポート作成やオンライン学習を通じて単位を修得し、高校卒業資格を目指す学校です。

  • メリット
    自分のペースで学習を進められるため、心身の負担が少ないのが最大の特徴です。対人関係のストレスからも解放され、趣味やアルバイト、治療などと両立しやすい環境です。

  • デメリット
    学習管理を自分で行う必要があるため、強い自己管理能力が求められます。 孤独を感じやすいという側面もあるため、サポート体制の確認が重要です。

通信制高校がどんな進路選択肢なのか、自分のペースで学べる仕組みも含めて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

サポート校|学習面・精神面を手厚く支援

サポート校とは、通信制高校に在籍する生徒が、3年間で確実に卒業できるよう、学習面や精神面で個別サポートを行う民間の教育施設です。塾や予備校に近いイメージです。

通信制高校とサポート校に同時に入学することで、レポート作成の指導や大学受験対策、カウンセリングなど、手厚い支援を受けながら高卒資格取得を目指せます。 「通信制だけでは卒業できるか不安」という場合に心強い選択肢となります。

通信制高校とサポート校は似ているようで役割が異なります。違いを整理して比較したい方は、こちらの記事も参考にしてください。

定時制高校|働きながら学ぶ選択肢

定時制高校とは、夜間や昼間など、1日のうち特定の時間帯に授業を行う学校です。全日制高校と同じく、毎日学校に通って授業を受けます。

働きながら学びたい人や、様々な年齢・経歴の生徒と共に学びたい人に向いています。全日制よりも少人数で、落ち着いた環境で学び直したいという生徒にも選ばれています。

不登校特例校|個別の事情に配慮したカリキュラム

不登校特例校とは、文部科学省が認定した、不登校の生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成・実施する学校です。正式には「不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校」といいます。

少人数制のクラスや体験学習中心のカリキュラム、手厚いカウンセリング体制など、不登校を経験した生徒が安心して学校生活を送れるよう工夫されています。まずは学校に慣れることから始めたいお子さんに適した環境です。

(参考:文部科学省「不登校特例校の一覧」

後悔しない学校選びの5つのポイント

お子さんのための新しい学校を探す際は、何を基準に選べばよいのでしょうか。親子で後悔しないために、以下の5つのポイントをチェックしましょう。

子どもの学習意欲や興味関心に合うか

本人が「ここで学びたい」と思えるカリキュラムかどうかが、学校生活を継続する上で最も重要です。無理やり通わせるのではなく、お子さん自身が前向きになれる学校を選びましょう。

最近の通信制高校やサポート校には、プログラミング、eスポーツ、声優、美容、製菓など、多様な専門コースが用意されています。お子さんの興味関心を引き出すきっかけになるかもしれません。

カウンセラー常駐などのサポート体制

不登校を経験したお子さんにとって、精神的なケアは不可欠です。専門のカウンセラーが常駐しているか、定期的な面談の機会があるかなど、心のサポート体制が充実しているかを確認しましょう。

また、学習面で遅れがある場合は、個別に補習をしてくれるか、基礎から学び直せるかといった学習支援体制も重要なチェックポイントです。

通学の負担とスクーリングの頻度

通信制高校の場合でも、スクーリングと呼ばれる対面授業への出席が年に数日〜数十日必要です。無理なく通える場所か、スクーリングの頻度や日数は適切かを必ず確認してください。

体力に自信がないお子さんの場合、最初はオンラインでの参加が中心で、慣れてきたら通学日数を増やせるような柔軟な制度がある学校を選ぶと安心です。

卒業生の進路実績と大学進学率

お子さんが将来、大学進学を希望している場合は、その学校の進路実績が重要な判断材料になります。希望する進路を実現できる環境かを見極めるために、大学進学率はもちろん、指定校推薦枠の有無や受験対策サポートの内容などを確認しましょう。

就職を考えている場合は、就職率やサポート体制、提携企業などをチェックすることが大切です。

学費と就学支援金の利用可否

学費は学校選びの大きな要素です。入学金や授業料だけでなく、施設利用費や教材費などを含め、卒業までの3年間で総額いくらかかるかを事前に把握しておきましょう。

また、高等学校等就学支援金は、国が授業料の一部を支援してくれる制度で、私立の通信制高校でも利用できます。世帯年収に応じて支給額が変わるため、自分の家庭が対象になるか、いくら支給されるかを学校や自治体に確認することが重要です。

通信制高校を検討するうえで、学費や就学支援金についてもう少し詳しく確認しておきたい方は、こちらの記事もご覧ください。

不登校経験後の進路と将来の選択肢

「不登校を経験すると、将来の選択肢が狭まってしまうのでは…」という不安は、多くの保護者の方が抱くものです。しかし、実際には多様な道が開かれています。不登校は、お子さんが自分らしい生き方を見つけるための転機にもなり得ます。

大学・短期大学への進学

通信制高校や定時制高校からでも、大学進学は十分に可能です。実際に、多くの生徒が大学や短期大学へ進学しています。

大学受験に特化したコースを持つ通信制高校・サポート校を選べば、専門の講師から手厚い指導を受けられます。また、内申書の影響が少ない一般選抜や、不登校の経験を自己PRに活かせる総合型選抜(旧AO入試)など、受験方法も多様化しています。

不登校を経験しても大学進学は十分に目指せます。受験の考え方や準備を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

専門学校で専門スキルを習得

高校在学中に自分の「好き」や「得意」を見つけ、それを仕事に繋げるために専門学校へ進む道も人気です。好きなことであれば学習意欲も湧きやすく、自信を取り戻すきっかけになります。

IT、デザイン、調理、美容、医療福祉など、様々な分野の専門学校があります。オープンキャンパスに参加し、お子さんが本当に学びたいことを見つけるサポートをしてあげましょう。

就職やアルバイト

高校卒業資格を取得すれば、就職の道も開かれます。学校によっては、就職サポートが手厚く、企業との連携が強いところもあります。

また、すぐに正社員として働くのではなく、アルバイトをしながら社会経験を積み、自分のやりたいことを見つけていくという選択も有効です。社会との接点を持つことで、新たな目標が見つかることも少なくありません。

不登校を乗り越えた先輩の体験談

同じ経験をした先輩の姿が、お子さんにとって大きな希望になることがあります。

例えば、人間関係に悩み不登校になったSさんは、通信制高校に転入。自分のペースで学習を進めるうちに自信を取り戻し、スクーリングで出会った友人との交流を通じて、再び人と関わる楽しさを知りました。高校卒業後は、心理学を学ぶために大学に進学し、将来は自分と同じように悩む子どもを支えるカウンセラーを目指しています。

このような体験談は、学校のウェブサイトやパンフレット、説明会などで見つけることができます。

無料で相談できる公的支援機関と窓口

親としてどうすればいいか分からない時、一人で抱え込む必要はありません。無料で相談できる公的機関や窓口を積極的に活用しましょう。

教育支援センター(適応指導教室)

教育支援センターは、主に市区町村の教育委員会が設置している、不登校の小中高生を対象とした支援施設です。学校復帰や社会的自立を目指し、学習支援やカウンセリング、集団活動などを行っています。 お住まいの地域の教育委員会に問い合わせてみましょう。

ひきこもり地域支援センター

ひきこもり地域支援センターは、各都道府県・指定都市に設置されており、ひきこもりに関する専門的な相談窓口です。不登校からひきこもり状態に移行している、またはその心配がある場合に、本人や家族からの相談に応じています。

児童相談所・精神保健福祉センター

児童相談所は、18歳未満の子どもに関するあらゆる相談に応じる機関です。不登校の背景に虐待や家庭環境の問題がある場合などに相談できます。 精神保健福祉センターは、心の健康に関する相談窓口で、思春期の精神的な問題について専門家のアドバイスを受けられます。

NPO法人や民間のフリースクール

公的機関以外にも、NPO法人が運営する親の会や、民間のフリースクールなど、多様な居場所や学びの場があります。 フリースクールは、子どもが安心して過ごせる居場所を提供し、個々の興味関心に応じた活動を行っています。同じ悩みを持つ親同士で情報交換ができる「親の会」も、精神的な支えになります。

高校生の不登校に関するよくある質問

ここでは、高校生の不登校に関して保護者の方からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 今の高校は中退すべき?転入・編入の時期は?

A. 安易な中退は避けるべきです。

高校中退という経歴は、その後の進学や就職で不利になる可能性があります。まずは在籍したまま休学し、心身を休ませることを考えましょう。

その上で環境を変える場合は、「転入(転校)」や「編入」という選択肢があります。転入は高校に在籍しながら別の高校に移ることで、編入は一度高校を中退した後に別の高校に入り直すことです。転入・編入が可能な時期は学校によって異なるため、希望する学校に直接問い合わせてみましょう。

Q. 通信制高校の学費は年間いくら?

A. 学費は公立か私立か、また選択するコースによって大きく異なります。

  • 公立の通信制高校
    年間約3〜5万円が目安です。

  • 私立の通信制高校
    年間約20〜80万円が目安ですが、専門コースなどを選択すると100万円を超える場合もあります。

ただし、前述の「高等学校等就学支援金」制度を利用すれば、世帯年収によっては授業料が実質無料になることもあります。必ず利用できる制度を確認しましょう。

Q. 不登校でも大学受験は可能?

A. はい、十分に可能です。

不登校の期間があると、調査書(内申書)の評価が気になるかもしれませんが、大学受験の方法は一つではありません。

  • 一般選抜
    学力試験の結果が重視されるため、調査書の影響は比較的小さいです。

  • 【総合型選抜(旧AO入試)・学校推薦型選抜
    不登校の経験を乗り越えたストーリーや、その中で見つけた目標などをアピールすることで、評価に繋がる可能性があります。

通信制高校やサポート校の中には、大学受験対策に特化したコースもあるため、そうした学校を選ぶのも一つの手です。

不登校の期間があっても大学進学は目指せます。受験の進め方を具体的に知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

Q. 親として精神的に限界な時の対処法は?

A. 親自身が、この記事で紹介したような相談機関を利用することが非常に大切です。

お子さんのことで精一杯で、ご自身のケアを後回しにしていませんか。親が倒れてしまっては、お子さんを支えることはできません。

カウンセラーに話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になります。また、同じ悩みを持つ保護者が集まる「親の会」に参加し、気持ちを分かち合うことも大きな支えになるでしょう。自分を責めず、外部の助けを借りることをためらわないでください。

まとめ

高校生のお子さんが不登校になることは、親子にとって非常につらく、不安な出来事です。しかし、それは決して特別なことでも、将来が閉ざされたわけでもありません。

この記事でお伝えした大切なポイントをもう一度振り返ります。

  • まずは休ませる: 無理に登校させず、お子さんの心と体を休ませることを最優先しましょう。

  • 味方でいる: 話をじっくり聞き、お子さんの気持ちに寄り添うことで安心感を与えましょう。

  • 選択肢は多様: 全日制高校だけが道ではありません。通信制高校やサポート校など、お子さんに合った環境が必ずあります。

  • 将来は開かれている: 不登校の経験を乗り越え、大学進学や就職など、自分らしい道に進んだ先輩はたくさんいます。

  • 一人で抱えない: 親自身も、公的な相談機関や親の会などを活用し、外部のサポートを得ることが重要です。

不登校は、お子さんが立ち止まり、自分自身と向き合うための大切な時間なのかもしれません。この期間を「問題」としてではなく、新しい道を見つけるための「転機」と捉え、お子さんのペースを尊重しながら、最適な選択肢を一緒に探していきましょう。

お子さんに合った環境を見つけることは、不登校の先にある一歩につながります。
学研WILL学園は、通信制高校のサポート校として、高校生の不登校に悩むご家庭に寄り添いながら、これからの学び方や進路を一緒に考えています。まずはお気軽にご相談ください。